能登麻美子

いちぬけ – 能登麻美子

見ててご覧 ほぅら、一抜けた
触れた側から冷えて抜け殻に

流されて辿り着く現 蕩ける鼈甲の魂

夕べ紡いだ夢を どうぞその小指に絡めなさい
痛んだ刺が一つ抜ける……

息を殺し そっと、一抜けた
怖い怖いと震え抜け殻に

還れずに泣いているあの子 後ろの正面は常闇(とこやみ)

夕べ捕らえた罪を どうかその運命(さだめ)の隠れ蓑にお使いなさい

夕べ紡いだ夢を どうぞその小指に絡めなさい
夜が身体を一つ抜ける……

一人ぬける……

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巡り来る日々 – 能登麻美子

いとおしい記憶辿ればいつも笑顔に満ち溢れた日だまりの時間。会えなくても いつも繋がっているよと教えてくれたのはあなたの存在こんなに強く強く今も支えられている想い

青のキセキ – 能登麻美子

深い青のセカイ生まれ 落ちる また何度 いのち 選び積み重ねるの泣かないでと 繰り返し痛みの数 知る度に深く瞬く青のキセキが ふるえる何度も ここに 立って何度

あしたの手 – 能登麻美子

ありったけの気持ちで アイシテルってつぶやく昨日までの想いあふれ サラサラとけてくこれっきりの祈りで 伝わればいいのに確かめあえる言葉をくれて 神様ありがと明日

かりぬい – 能登麻美子

想い出を摘んできましょ 花を摘んできましょ胸の闇に一輪差し飾るのいつだって行き止まりで 決して逃げられない空の鳥へ哀しみのせ飛ばすのここは仮縫い私を縛る永遠行き

夕顔 – 能登麻美子

庭に咲き始めた夕顔に水を打ってあげたら遊びに出かけていた猫が帰ってきたわ「おかえり」ほら見てごらん 雲のさざなみ杏色やむらさき沈む夕陽に 染まってキレイまるで夢

あいぞめ – 能登麻美子

あさきゆめみじ 永久に嘆きもせす月の光 心 照らし出す燃ゆる花の舞 道しるべ絡みつく あやまちの詩 胸をしめる果てぬ川に手を挿し 流そう想い 詰めた言の葉 藍に

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