羅針盤

波 – 羅針盤

ときに離れ ときに紛れて
波に 漂っている
誰と居ても 感じ合えない
そんなところで いつも

沸き起こる 渦から うまくのがれても
ほんとうの すがたは 沖へ さらわれてゆく 白い子供のように

時には凪ぎ 時に乱れる
そんな心で いつも

存在のすべてを かけて 泳いでも
荒れ果てた 海から どこへもゆけない

今 あたらしい場所で 沈みかけた舟 こぎ出せば風は西へ吹いてゆく

けれども津波は すべての希望もなげやりな夢も のみ込んでゆく

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羅針盤 – 羅針盤

ここから どのくらい 時を降りてただ生きていた あのころの不思議へ還ろう両手にも余るほど 虚しくてもふり返る気は まるでないフリで疲れてるあれほど 夢中で描いた

ソングライン – 羅針盤

こぼれかけの 水の中にあるなつかしい君の 過去から笑いの果て 哀しみのかなたひとの顔が とても小さく見えるふるえている やせた木のようなガランドウの体からはがれ

ひとりのくに – 羅針盤

真夜中の あいつの ベルに口笛で 応えてみる人知れず 生きているのは誰かに 見つめられたくて誰かを 見つけられなくて誰かの 中に住みたくて誰かを 閉じ込めていた

ますら – 羅針盤

このやみを おおう 青空に白く 霞かけてる あれは月の還れなくなった 素顔夏は過ぎ 陽は影を帯びてとおく 山を へだてて 今沈みあきらめのない 日を待つたのしい

しずかな場所 – 羅針盤

きっと ずっと 昔からいつも 側に 居ながらとらえきれず遠く 離れて 見えた息を深く 吸い込んでもっと遠くに 声が届いたらうたが 輝くかもねじれ からみついた 

リフレイン – 羅針盤

いつになく リアルな夢を見て 起きぬけの街を歩けばなにもかもが はじめてのような とても古ぼけたような不思議な気持ちを たくさんあつめて 色をつけたりあなたの本

サークル – 羅針盤

ねじれた夜 しがみついてた夜見つけられた 子供たちの夜秘密なんて 何もないけれど別に誰にも 話すこともなくゆうべかけた 魔法はみんな解けてとぎれとぎれの 記憶が

がれきの空 – 羅針盤

ひとが ゆれた 音がきこえるわずかな かすかな ひとりの時間どこにいても きっと わすれない すがたかがみの中へ 置いてくるもしも せかいが もうひとつ あれば

ロビンソン – 羅針盤

新しい季節は なぜかせつない日々で河原の道を自転車で 走る君を追いかけた思い出のレコードと 大げさなエピソードを疲れた肩にぶらさげて しかめつら まぶしそうに同

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