細川俊之

行きずりの街さすらい通り – 細川俊之

淋しい旅のワードローブは
ほつれたシャツの糸くず
ポケットに両手を入れて
にぎわいの日暮れの街へ
人が皆ゆたかに見える
人が皆まぶしく見える
それなのに街は底冷えの海だ
ポケットに両手を入れて
おれはだれの肩も叩かない

今さら誰に追われていても
かくれる気などもうない
ポケットに両手を入れて
酔いどれの日暮れの街へ
過ぎた日を水割りにして
虚しさをカクテルにして
飲んだって街はさすらいの海だ
ポケットに両手を入れて
おれは何も抱きしめはしない

占いのばあさんとでも
酔いすぎた老人とでも
行きずりの街はおぼれたい海だ
ポケットに両手を入れて
おれは海に沈んで行こうか

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