糸奇はな

忘却舞踏 – 糸奇はな

夢を見た
花のように 微笑んでいた
夢を見た
蝶のように 踊っていた
何度でも
何にでも 姿を変えて
わたしは どこからもいなくなった

あの 願いも
あの 誓いも
さあ 捨て去って、さあ 捨て去って
今 とらわれていた「あこがれ」から 自由になるの
その 名前も
その 心も
忘れ去って、忘れ去って
わたしは また わたしに 出会う

夢を見た
風のように 流れていた
夢を見た
月のように 佇んでいた
何度でも
何にでも 形を変えて
わたしは 触れられない影になった

あの 契りも
あの 掟も
破り去って、破り去って
今 とらわれていた「思い出」から 自由になるの
その 名前も
その 心も
忘れ去って、忘れ去って
わたしは わたしを 見つけ出す

夢を見た
鳥のように 歌っていた
おぼえてもない愛を 口にしていた
夢を見た
姿も形も 輪郭も
なくした わたしだけが 踊っていた

さあ おいでよ
さあ おいでよ
影になって、ねえ 手を取って

今 とらわれていた「あこがれ」を 壊してしまうの
この 名前も
この 心も
ああ 捨て去って
忘れ去って
わたしは 今 わたしに 出会う

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