竹島宏

  • サンタマリアの鐘 – 竹島宏

    君のいない日々の涙を拭う指を待っていた 僕を見上げ頷く瞳切なくて抱きしめた ああ、サンタ・マリアの鐘が鳴る愛が、愛に戻る巡り逢えたフィレンツェ 君はひとりで切符を買った僕へと戻るために 細くなった指に体に印すようにくちづける 今はなにも訊かずにふたりただ愛に溶けていよう ああ、サンタ・マリアの鐘が鳴る罪も罰もすべて僕が受けるフィレンツェ 窓から橋を見下ろす部屋で静かに生きてゆこう ああ、サンタ・マ…

  • 裏窓 – 竹島宏

    黄昏の窓辺ふと 灯る 明かりがあなたは幸せだとそう ただ 告げるようで 僕には 選べる道は なかった さよならは もう言わなくていい夢は覚めたときに心だけに 残れば 髪 梳かす 姿引き留めたあの夜僕ではない誰かのためだと気づきながら 訊いてはいけない涙もあった さみしさは なぜ二人を試す埋められないくせに愛を真似た くちづけ 静かな 裏窓揺れる 人影 さよならは もう言わなくていい夢は覚めたときに…

  • 一枚の切符 – 竹島宏

    哀しい物語よどうかふたりを責めないで暗い川を いくつも渡るこの愛の行方 その手に切符を 手渡して待ってるからね、と 背を向ける 震えるその声 君が小さくひどい人ね、と 言うのが聞こえた きっとすべてを 捨てさせるだけど僕は 奪いたい 哀しい物語が始まることも分かってる秋の終わり マロニエ並木一枚の切符 夜更けの列車に した訳は人目を忍んだ だけじゃない 片方裸足で 駆け出すような愛にしたこと 覚え…

  • こころ花 – 竹島宏

    僕のこころが あなたの胸にきっと静かに 咲いて それをあなたは 指先でそっと触れては 微笑む とても静かな 愛に座ってずっとこのまま 見つめていたい ふたつのこころ花だけ守って生きていこうたがいの胸に咲かせた小さなその花を あふれる想いが僕のこころを 濡らすよ 花は枯れると 思ってますかきっとそうだね だから 僕の命を 水にしてずっとあなたに 注ごう 愛の痛みを 知ってる人に言葉だけでは 届きはし…

  • また会える – 竹島宏

    ありがとう さようならきっとまた会える季節が何度も巡るみたいにね ありがとう 元気でねあなたのその笑顔どうか、忘れないでここで約束しよう 心をつないで 生きてゆけるなら悲しいことさえ きっときっと分けあえるはずさ だから ありがとう さようならきっとまた会える はじめて会えた日を今も忘れないあれからあなたはずっと変わらない 照らしてくれるから僕も輝けるよずっと そばにいるよ想い重ねながら いつでも…

  • 横浜ロンリーブルー – 竹島宏

    胸が痛むのは 潮風のせい?君が好きだった横浜ロンリーブルー そうさ、忘れたと言い聞かせてたなのに見えるのは恋の背中だけ 水平線のない海と長い坂道が横顔、微笑み呼び戻すのさ横浜ロンリーブルー君が知ったら笑うんだろう すこし街並みも 変わったろうか遠い想い出と横浜ロンリーブルー それが愛だとはまだ気づかずに若い僕たちは傷つくばかりで チャイナタウンの賑わいと運河のネオンが細い肩、長い髪浮かべて消える横…

  • 君の明かり – 竹島宏

    悲しい出来事があふれるこの時代さりげない言葉にさえ いつも人は傷つき何かにすがるように僕らは生きていて夢を見る力や愛をためされてる 閉ざした窓にぽつり今日もそっと灯るのは 君の明かり そのぬくもりまぶしく僕の場所に変わらないで ずっといてほしい 家路を急いでる笑顔の人たちも生きづらさ抱えながら 日々を歩き続ける痛みやはがゆさに理由があるのなら昨日よりも強い心に出会うため 探してみよう僕らなりの幸せ…

  • 心の近くで – 竹島宏

    生まれたばかりの恋は少しぎこちなくてじょうずに気持ちさえも伝えきれないねひそかに見つめあう瞳 かさねた手のひらに揺るぎない想い そっとこめている Smile me 君が笑ってくれたらFor me 僕は何より幸せで アイシテルの言葉だけじゃ足りない愛しさをひとつひとつ教えたいよいつでも心の近くで 僕を感じて 同んなじ景色を眺め時を紡いでゆく未来へ続く道は始まったばかり孤独や悲しみにいつか負けそうにな…

  • プラハの橋 – 竹島宏

    心が痩せた、と君はコートの襟を立てた逃げる様にたどり着いたプラハの駅は冬の午後 許される愛ではないと知りながら終着駅で降りたふたり石畳の広場へ 愛しかないのに残されたのはそれだけなのに モルダウに架かる橋で声を漏らして泣き出した君抱き寄せてしまえ、と胸は言うのに止める様に鐘が鳴る 帰りの切符を君に一枚手渡したよなぜ?と見上げ涙零すその目に嘘は無いけれど さよならの代わりにそっと口づけた飛べないこと…

  • どうせ恋なんか – 竹島宏

    泣いてばかりだねさみしがり屋どうすればいい夜は覚めるのに夢と現(うつつ)うっかりして そんな横顔を見せられたらどうしようもない君の肩を抱きしめてしまう 心にはふいに花が咲きたがる気づきながらひとり枯らせるはずがないよね どうせ恋なんかためらうほど逆らえない二人はまだまだ思うより好きになるだけ だめな男だね言葉足らずどうしたんだろう月に惑わされ甘い香りうっとりして 次の曲がり角正しいのはどっちなんだ…

Back to top button