秋山奈々

音のない海 – 秋山奈々

強がる素振りしても 君は見抜いてしまうね
部屋に居られず抜け出したんだ
夜の空気大きく吸い込む

よく見ていた街が 妙に明るく見えて
少し怖くなって 駆け抜けた

街明かり遠く散りばめられて
まるで音のない海のようで
声を出して吸い込まれてく
ようやく泣けた私を包む

悔しくて切なくて 余計に涙溢れた
するり解けたこわばるこころ
夜の彼方流れては消える

よく聞いてた歌を ふいに口ずさんでた
懐かしいメロディー 優しくて

音のない海に包まれていく
瞳をとじて感じた風が
運んでくれた素直な気持ち
たいせつな人 いつもごめんね

さよなら さよなら
強がって背伸びをしてる
私がいた ああ ああ

音のない海にからだを委ね
独り占めした やさしい夜が
君の待ってる場所へとつなぐ
たいせつな人 いつもありがとう

街明かり遠く散りばめられて
まるで音のない海のようで
声を出して吸い込まれてく
たくさん泣いた私を包む

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