秋山久美

二十世紀が終わっても – 秋山久美

男同士で
キスが出来れば
厚い壁が ひとつ
崩れてゆく

ほんとうのことを
知ってゆくたび
目の前の世界 は
壊れてゆく

だけどそれじゃ
夢も消える
だまされているうちが
恋は花だから

二十世紀が終わっても
きっとなんにも
変わらないわ
かなわぬ恋に身をこがし
泣いてやつれて
みたいものね
だからもうやぼはおよしよ

右も左も
真っ暗闇と
言えた時代はまだ
明るかった

太陽の下
抱き合っている
明るい恋人に
なにがあるのか

ゴールすれば
夢は消える
追いかけているうちが
恋は花だから

二十世紀が終わっても
きっとなんにも
変わらないわ
粋な男に入れあげて
身上(シンショ)つぶして
みたいものね
阿呆(アホウ)と呼ばれてみたい

二十世紀が終わっても
きっとなんにも
変わらないわ
かなわぬ恋に身をこがし
泣いてやつれて
みたいものね
だからもうやぼはおよしよ

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