福浦隆之
出世鯉 – 福浦隆之
この世の川に 夢を抱き
天まで昇れ 竜になれ
男は鯉の滝のぼり
苦労の波を くぐるたび
でっかくなれよ 出世鯉
明日のために 泥水を
涙で飲んだ こともある
男は鯉の滝のぼり
人生賭ける 大勝負
一花(ひとはな)咲けよ 出世鯉
度胸をきめて まな板に
笑って命 のせてみろ
男は鯉の滝のぼり
志(こころ)を高く 跳びあがれ
あの虹越えろ 出世鯉
この世の川に 夢を抱き
天まで昇れ 竜になれ
男は鯉の滝のぼり
苦労の波を くぐるたび
でっかくなれよ 出世鯉
明日のために 泥水を
涙で飲んだ こともある
男は鯉の滝のぼり
人生賭ける 大勝負
一花(ひとはな)咲けよ 出世鯉
度胸をきめて まな板に
笑って命 のせてみろ
男は鯉の滝のぼり
志(こころ)を高く 跳びあがれ
あの虹越えろ 出世鯉
「…母ちゃん、元気か?今年は、津軽に帰るからな…」かぜなどひくなとヨー えんぴつ便りふるさと小包 とどいたよ母ちゃんりんごを ありがとね皮など剥かずに 噛ります
雪にも匂いの あることをあなたとはじめて 知りました湯舟にひとひら 雪の宿吹雪のあとには 月が出てみだれた黒髪 指で梳(す)く雪にも情けが あるのならふたりを包
渡る世の中 甘くはないと北の地酒が 身にしみる辛さ苦さは 男の味だグラスなどより 茶碗が似合うお父(ど)うじょっぱり 津軽酒酒は人肌 凍(しば)れる胸に厚い人情
奥の細道 芭蕉の道をあの娘探して 歩く旅峠いくつに 港をいくつ越えて渡って 来たけれどうわさかくした 湯のけむり花の白河 振り出しに雪の津軽へ 東北道いつか青葉
麦という奴ァ 男草人に踏まれて 強くなる冬をだまって こらえても春の出番に 風雪を麦ははねのけ 立ち上がる春のさくらの かおりなく秋のもみじの いろもない目立つ
旅はみちづれ この世は情けそれが要の 夫婦道松と鶴との 縁結び明日へ翔び発つ 翼のように夢をひろげる 夢をひろげる祝いの舞扇何の色にも 染まっていない白い打掛け