神田莉緒香

  • 青々春々 – 神田莉緒香

    この川の向こうまで続く長い一本橋はどれだけの時 人を繋いできたんだろう 「あの頃は良かった、」と思い出を語っていても生きている今 今も青さ滲んだまま まだ見ぬすべてに輝きを映し出す瞳があるなら見てきた日々への輝きを映せる瞳もあるだろう いくつもの春を通って 僕らここに立ってるいつまでも追いかけよう それでいいんだ 夕暮れの公園 遠いチャイム ヘッドライト変わりゆく街にも 変わらない自分を見つけた …

  • 真珠と女の子 – 神田莉緒香

    片手にバブルミルクティー あの子と話した未来の展望おんなじリボンをしてるのに ずっと大人に見えたんだ ゆっくり走る世田線が好きと外を眺めて言ってたっけ なんてことのない記憶がかけがえのない思い出と笑いあったあの子は私のあの子は私の大切な 春から海の向こうで暮らすのと教えてくれた放課後から変わらないとっておきの宝物を分けてくれるみたいに ミディアムボブに 真珠がよく似合ってる大人になったねとグラスを…

  • 月夜の交信 – 神田莉緒香

    ひとりぼんやりと浮かんでる何回めかも覚えていない夜さ噂好きの天使が意地悪に笑うよ 欠けた姿じゃ足りないと見下ろす街は 眠る気配もないや夜風はため息 僕の名前は月 きこえた つぶやき ふるえる 折れたアンテナから「今日もきれいだなあ。」瞳を向けた 君が言う 見えたんだ ここからはっきり見えたんだひとりぽっちの夜が繋いだ ひみつの交信僕が僕で在ることを許してもらえた気がしたんだ ひとりぼんやりと浮かん…

  • 針金ハンガー – 神田莉緒香

    ベランダで揺れてる カラカラと揺れてる折れそうな水色 ただ風に吹かれてる この街は好きです 穏やかで 静かでドーナツの香りがほのかに誘う ムクドリはいつのまにか遠くへ飛んで行った二度目の夏が終わっていく 時間はいつも前向いて 戻ること許してくれないねだからきっと 人はきっと 思い出を抱きしめるの そこにかけてたのは 薄灰のパーカーと次いつ会えるかなって期待と不安でした この街は嫌いです 穏やかで …

  • これからのはなし – 神田莉緒香

    これからのはなしをしよう 君がいて 僕がいてこれからのはなしをしよう 雨の日も 春の日も 大げさじゃなくていいから 飾ることは一旦やめて心の端に丸めてた言葉 ゆっくり開いて これからのはなしをしよう 振り向いて 歩き出してこれからのはなしをしよう 夢の日も 愛の日も 惜しむ間もなくめぐりゆく 季節はあっという間で(あとどれほど、)なんて考えるくらいならば伝えにいこう 伝えにいこう これからのはなし…

  • しろくまライト – 神田莉緒香

    オールウェイズおおきなてのひらだけじゃないよ背中で 言葉ですくいあげて(すくいあげて)くれるのは(くれたのは)しろくま 発見者 遠い空 夜が明けた また上手く泳げなかった 未熟なさかなを見放しもせずに笑って ヒントをひとつ 語り出す ヒ・カ・ル・コ・ト 「正解は知らないよ。」「でもきっと楽しいことをしよう。」「この毛並みを追っておいで。」「いつか追い越して、」「その鱗に光を吸って、海を切り開こう。…

  • スターダスト – 神田莉緒香

    どこかの悲しい星座になって はるか遠くで輝いてて思い出すときくらいせめて 笑えるように 笑えるように ワンルームの床転々と 散らばったモノ辿って染みていく黒い点々は 3日前のマスカラ涙 全部捨てられるのなら そんな楽なことはないでしょうゴミ箱に投げていっても悔しいくらい減っていかない どこかの悲しい星座になって はるか遠くで輝いてて思い出すときくらいせめて 笑えるように 笑えるように 大事にしてき…

  • YELLOW! – 神田莉緒香

    どれくらい走ってきたんだろう 喉の奥がヒューッと熱い背後に近づく気配を察知してまた走るハラハラ…それともドキドキ?突き動かすのは得体の知れない不安点滅 信号はYELLOW! でも止まらない そのままいきたい…ってwhy? 逃げても 逃げても 追いつかれそうだ右手伸ばした お前は誰だセーイハロー 足音 照らすライトは答えないOh… もういっそOh… のまれてみちゃう? 欲張るのはいけないことだって …

  • モノローグ – 神田莉緒香

    消えない 消えない 寝ても覚めても消えない夢がある なんて素敵なことなんでしょう 胸をはっていたいよ誰になんと言われようと好きを好きでいたいよだって見つけたのだから すぐに後ろを向くけど誰かと比べられるばかりでも好きを好きでいたいよ見つめ続けているのは両目が乾いて痛むけどぼやける輪郭 手探りの鉛筆歩く意味を自分に問うた涙が答えなんでしょう 消えない 消えない 寝ても覚めても消えない夢がある だから…

  • ここから – 神田莉緒香

    あひるもつい歌い出しそうな青空ぐるりぐるりと納豆をかきまぜながら耳を傾けた天気予報は「一日気持ちのいい晴れでしょう」だってさ 扉の向こう とびきりの「いってきます」がパタパタと楽しそうに走っていったあの子はきっと 無邪気な笑顔声からはじまるストーリー プロレスリング 響く歓声お絵描きノート 秘密の夢相方ふたりしたがえて何処吹く風と猫が一声今日も どこかで生まれるもの 僕の声の向こう側に君がいる 届…

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