矢島晶子

それから… – 矢島晶子

陽のあたる坂道
山査子がゆれている
何もなかったように
春風が吹き抜ける

あなたと過ごした
季節はいまでも
永遠にあせない
映画のように映っています

うつむいたあのころ
くりかえすサヨナラも
思い出という名の
宝石に変わるでしょう

ああ…わけもなく涙が溢れだす
瞳の中ふりむいたあなた
笑っているのに

暮れ泥む町並み
教会の鐘が鳴る
何もなかったように
浮き雲は流れてく

あなたと過ごした
季節はめぐって
ぎこちない足どり
確かめながら歩いています

うつむいたあのころ
くりかえすサヨナラも
思い出という名の
宝石に変わるでしょう

それから…の人生の上で

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