真琴つばさ

案山子 – 真琴つばさ

元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る

城跡から見下ろせば 蒼く細い河
橋のたもとに 造り酒屋のレンガ煙突
この町を綿菓子に 染め抜いた雪が
消えればお前が ここを出てから
初めての春

手紙が無理なら 電話でもいい
“金頼む”の 一言でもいい
お前の笑顔を 待ちわびる
お袋に聴かせてやってくれ

元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る

山の麓 煙吐いて 列車が走る
凩(こがらし)が雑木林を 転げ落ちて来る
銀色の毛布つけた 田圃にぽつり
置き去られて 雪をかぶった
案山子がひとり

お前も都会の 雪景色の中で
丁度 あの案山子の様に
寂しい思い してはいないか
体をこわしてはいないか

手紙が無理なら 電話でもいい
“金頼む”の 一言でもいい
お前の笑顔を 待ちわびる
お袋に聴かせてやってくれ

元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る

寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る

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