田口囁一

sayona ra note – 田口囁一

震えて振れて触れる
落し物探し物失くした物は
浮かんで浮いて光る
夜が鳴って
夜が泣いてるような

零れてく
羽の様に
踊る波の上

最期の鐘が打ち鳴らされて
全ての事が霞んで消えて
朝の光が優しく照らし
そうなら良いな
そうだったならと

描いて描いてなぞる
指先で追いかける音の道すじ
読み方のわからない綺麗なだけの
声を待って
声を待っていたいのに

繰り返し
髪を撫でる
滲む白の上

残されたのはただそれだけで
本当のほんとは此処には無くて
土に還ったあれこれそれは
次の場所へと
遠くの何処かへ

最期の鐘が打ち鳴らされて
一つの音が霞んで消えて
朝の光が優しく照らし
そうなら良いな
そうだったならと

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