田口囁一

ラストシーン – 田口囁一

映画の最後の場面に はじまる音が鳴り出す

初めはふいに訪れ 別れは音の洪水のよう

かき乱し振り返る 隣りにあるはずの日々
流星を探しても 見逃してばかりで でも

「現れてまた消える
それが全てだよ」と
きみは今どこで言うの?

どれだけの悲しみも 別れも追いつけない
あのとき流れた星 瞬き、思い、速く

過ぎ去る音は激しく
痛みのない振りで
泳ぎきる

苦しくて切なくて 何も思えなくて ただ
面影を重ねたり 一人よがりの日々 まだ

現れてまた消える それは夢のように
きみを塗りつぶす いつか きっと

暗闇に流れる エンドロールの歌は 終わりを告げているか?
それとも日々が また始まる?

最後に流れた歌 それだけを繰り返す
流れる星は強く 瞬き、残る、光

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