生駒尚子

可愛いおんな – 生駒尚子

命がけやねん 何にもいらへん
捨てたらいやや あんた
指輪をはずして 男に渡す
こりない かおるの 貢ぎ癖
夢を見て 夢を見て 泣いたけど
誰にも迷惑かけてへん
唇 かんだ 可愛い女

やっとお店を まかせてくれたと
こぼした うれし涙
十年近くも 日陰に咲いて
どこまで みゆきは お人よし
恨まずに 恨まずに 惚れぬいて
それでも まだまだ いらたぬと
ひとすじ尽くす 可愛い女

ほんま阿呆やねん 似たものどうしや
乾杯しよか 二人
演歌の好きな 女が交わす
泣くより悲しい笑い顔
忍んでも 忍んでも 不幸せ
涙が流れて川になる
道頓堀の 可愛い女達(おんな)

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父娘のれん – 生駒尚子

雪になりそな 夜やから暖簾をおろして 父娘(おやこ)で 呑もか添えぬお人に 惚れぬいて意地を通した 親不孝口にだせない 詫びがわりお酒 注ぎたす カウンター四十

アジサイの花 – 生駒尚子

アジサイの花が 雨に濡れてる私の心に 蘇るのは幼い思い出 懐かしい日々黄色いパラソル 父の温もりいつもの坂道 学校帰り大きな背中に しがみついてたあの日見た夢は

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水面に輝く 満天の星あれは大漁の 道しるべ掛け声揃えて 若い衆がヤーレン宝の 網を引く陸(おか)で待ってる あいつの為に俺の笑顔を 見せる為海よ、海よ荒れるな 

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