熊木杏里

君まではあともう少し – 熊木杏里

雲に浮かぶ 空の大地を
太陽がくぐり ぬけた

白いラインは 君の好きな
キャミソールみたいだね

春風の奥に 熱を しのばせた
脱ぎたがりの夏は もうすぐそこ

ぼくはいつも 想われるより
想いこがれる ほうで
風をさがす 紙ひこうきは
飛べるまで あと どれくらい?

つぼみの上に 虹がかかって
開くまで あともう少し
レースして いるみたいだね

黒い雨が 車の窓に
はがれずに 残っている

ラバーソウルを履いた君の
記憶も 残っている

来年のことを 気にしないで買った
はやりの服に 腕を 通してみる

君に会える そんな気がして
上着を とりに 戻る
まだ早くて 少し寒くて
とりあえず もう一枚

はにかむような 天気だけれど
待っている なんてできない
選んでる 服は君色

外は 七色 街の音楽
ふりかえった人も やがて すぐに
今いる場所を 去ってゆくから

ぼくはいつも 想われるより
想いこがれる ほうで
風をさがす 紙ひこうきは
飛べるまで あと どれくらい?

早変わりする 着がえた季節
追いかけるぼくを 呼んでる
君までは あともう少し

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