焚吐

普通の人 – 焚吐

誰か早く僕のことを捕らえてくれないか
虚構に手を染め 人のふりをした化け物さ
でもそのくせ人並みの幸福が欲しいだとか歌うんだな

誰か早く僕のことを罰してくれないか
生まれるのも生きていくのも下手だったから
無理はないよ 僕が君だったら迷わず手を下した

「異常」「下等」「理解不能」「可哀想」「他人事」
ワイプから覗いた明け透けな嫌悪感
神が全知全能というなら 僕をこうしたのはわざとかい?

世界へ抗う術のひとつとして身を投げて
眼下に望む空は どうせ腹立たしいほどきれいだ
変われないことくらい痛いくらい分かってるから 眩暈
ああ 僕が僕じゃなければよかった それ以外は要らなかった

みんな早く僕のことを忘れてくれないか
ゲーセンの明かりが見世物小屋のスポットみたいで
惨めだった 背負い込んだ悪意に潰される日は近い

ねえ、どうやんのそれ 分かるように教えて
なんたって僕は普通じゃないから
愛し方から愛され方 上手い線の引き方 全部が間違ってる
さもなきゃこんなの 説明がつかない

これ以上騙しながらここに居るのも限界じゃないか
あなたは優しいから ひょっとしたら受け入れてくれるかな
「期待などしちゃいない」「そりゃ本心かい?」「黙ってろお節介」
ああ いっそ生まれてこなきゃよかった そんなこと言いたかないのだ

“人とは違う”ってちゃちな優越感を糧に出来る時代は終わった
今こそ訊いていいかな “普通”って何でしょうか?
名前の割に難し過ぎやしませんか?

世界へ抗う術のひとつとして身を投げて
眼下に望む空は どうせ腹立たしいほどきれいだ
変われないことくらい痛いくらい分かってるから 眩暈
ああ 僕が僕じゃなければよかった それ以外は要らなかった
それ以外は要らなかった

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