焚吐

モラトリアム – 焚吐

僕が酸素を吸っている間 あなたが窒素を吸っているような
そんな そんな明確な違いがあれば
夢など容易く捨てられたのに

都市も宇宙も遠くにあるから きれいに映るんだなんて言うけど
どうして どうして離れゆく背中はこんなに
醜くも滲んでしまうんだろう

“追い越したい”はいつか “追い付きたい”に変わり
“追い付きたい”はいつか “置いて行かないで”に
そのまま消えてしまえばよかった?

あなたの半身が 僕の全身で
あなたの一歩が 僕の十歩だとしても
諦めきれない 身の程知らずにも朝を迎えてしまう
ねえ どんな顔すればいいの

錆びた遊具に 幼いあなたの面影重ねる自分がいて
やっぱ やっぱ宿命って奴なのかもな
「もう少し足掻いてみよう」…なんて

才能・センス信じない 努力も報われない
そう思いたかったのに あなたを見ていると
どうにも光が差してしまうんだ

あなたの現実が 僕の未来図で
あなたの失敗が 僕の成功だとしても
今だけはどうか無様でいさせて 独りぼっちの夜深
懸命に言葉を繋いだ

下手くそな旋律 木枯らしが運んで消えて
とうとう歩き出すかって 鞄を背負う 背負う

一生かけたとこで 追い付けないとしても
あなたの昨日を なぞるだけだとしても
諦めたくない 腐りたくはない ちゃんと花を咲かせたい
ねえ 僕もまた歌っていいかな

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