瀬生ひろ菜

カワセミ – 瀬生ひろ菜

やさしいあなたが そばにいる
あゝそれで それでよかったの…
連れて行ってと 言えないままに
季節の流れに 消えたひと
カワセミの カワセミの
掠(かす)めたこころ すまし顔が
憎らしくて 切なくて
恋しくて…

遠くであなたが 見つめてる
あゝそれが それがつらかった…
知らず知らずに 私の胸に
潜んで盗んだ 遠賀川(おんががわ)
カワセミの カワセミの
鳴きさえずりに 騒ぐ微風(かぜ)が
悔しくって 哀しくて
愛しくて…

噂ひとつを たどりたどって
ひと目でいいから 逢いたくて
カワセミの カワセミの
青彩(あおいろどり)に 浮かぶ影が
綺麗すぎて 冷たくて
眩しくて…
眩しくて…

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