澤木和雄

波 静かなれ – 澤木和雄

波 静かなれ 落日の海原よ
過ぎてゆく夏の 肩先見送れば
砂浜を駆けぬける まぶしき少年よ
帰らざる遠き日の 我が身を映すけど
まだ遅くない 秋が来ても
そして 冬の日が来ても
青春という 忘れ物
この胸の中に あるから

陽よ また昇れ 悠久(ゆうきゅう)の時を越え
天の川 宙(そら)を その掌(て)で包んでも
草枕寝ころべば あふれる涙星
寂しさは 何処(いずこ)かと 我が身に問いかける
まだ遅くない 白き髪も
たとえ 年老いていても
青春という 忘れ物
この胸の中に あるから

まだ遅くない 秋が来ても
そして 冬の日が来ても
青春という 忘れ物
この胸の中に あるから

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北ごころ – 澤木和雄

北へ群れ飛ぶ 渡りの鳥よ江差の荒海 鉛の色かきっと今頃 お袋さんよ背中丸めて 冬支度電話かけよか 今夜こそ愛がじんじん 愛がじんじん 北ごころ風の追分 心に聞け

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