渡辺ひろ美

曽根崎しぐれ – 渡辺ひろ美

凍えて冬越す 野の花だって 
いつかきっと蕾の 開く時がくる
お初天神 両手を合わせ
おみくじ引いたら 末吉や
ぼちぼち行きましょ 相合傘で
春の風呼ぶ 曽根崎しぐれ
  
路地裏あかりが 小雨ににじむ
ちょっと一本熱燗 飲んで行きましょか
愚痴を言うより ほろ酔い気分
明日の倖せ 信じましょう
ぼちぼち歩けば 何かに出逢う
肩を寄せ合う 曽根崎しぐれ
  
根もなし名もなし ないないづくし
いいのいいの大きな 夢があるやない
あんた負けたら 投げたらあかん
うちかて後ろに ついてます
ぼちぼち二人の 出番も近い
浪花人情 曽根崎しぐれ

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あばれ船 – 渡辺ひろ美

時化がかじったおんぼろ船でヨー度胸ひとつの漁に出るあんた無事で戻るように バッと御神酒をふりまいてさあさお立ちだあばれ船昨夜あたしを抱いてた腕でヨー網を引くのか

浅草パラダイス – 渡辺ひろ美

花が咲き 花に酔うお江戸の名残りの 仲見世はホラ 今宵も更けゆく提灯(あかし)に揺れてウキウキと カラコロと駒下駄鳴らして 石畳アァ 今宵も あなたに逢いにゆく

海峡列車 – 渡辺ひろ美

愛しているよと窓ごしにくちのうごきでつたえるあなたすがる思いでうなずき返すアカシアの駅 ベルが鳴るさようなら 言わないできっと きっと 帰ってねあなたを乗せてゆ

那智の火祭り – 渡辺ひろ美

鎌倉積みの 石段を大松明が 駆け上がり那智の火祭りが 始まるのです愛の指輪の 宝石も恋が終われば 硝子玉火の粉浴びれば 燃え尽きますかああ 貴方から…旅発つため

紅の雨 – 渡辺ひろ美

傘にいちりん こぼれ花まっかに燃えた 恋も散る行かないで ねぇあなたわたしを置き去り 行かないで別れ惜しんで 心も濡れる通り雨 なごり雨 紅の雨熱い情けに 一重

SANOSANOSA(さのさのさ) – 渡辺ひろ美

稽古帰りの 柳橋出会い頭の 鉢合わせいろは「に組」の粋な哥兄さん 小頭で纏持ちSANOSANOSA SANOSANOSA惚れたホの字の 流行風邪手櫛でまとめる

万華鏡 – 渡辺ひろ美

夜の匂いがこころの奥の人恋しさに 火をつける紅さし指で 口紅ひけば胸のときめきかくせないおんなの恋は 万華鏡(まんげきょう)移ろう愛にこの躰をまかす揺らめいて…

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