清水たま希

夕月の花 – 清水たま希

しあわせに なる為の
今はまだ まわり道
あなたの励まし あればこそ
幾坂 この坂 越えた坂
生きるに下手な 私でも
あなたに寄り添い 生きたいの
ついてゆきます 夕月の花

人の世の 悲しみを
嘆かずに 愚痴らずに
いつでもぶれずに 生きている
あなたの姿が 道しるべ
私でいいの 目で訊けば
お酒を注ぐ間の いとおしさ
ついてゆきます 夕月の花

これまでの 永い冬
これからの 遅い春
あなたと並んで 木漏れ日を
うなずき返して ふり仰ぐ
生きるに下手な 私でも
あなたに寄り添い 生きてゆく
ついてゆきます 夕月の花

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ついて来るかと あなたが微笑う見つめ返した 瞳がぬれるまわり道にも 花はあるそんな生き方 したくってこぼれ灯 こぼれ灯…拾う小さな 春の音いつも気後れ 戸惑いば

儚な酒 – 清水たま希

何がしあわせ 不しあわせうんとあるのね 人の世はグラスゆらせば 立つ波もしょせん硝子の 中のこと思い出させて 夜がゆくみんなうたかた 儚な酒一つ二つは 誰もある

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