清水たま希

こぼれ灯 – 清水たま希

ついて来るかと あなたが微笑う
見つめ返した 瞳がぬれる
まわり道にも 花はある
そんな生き方 したくって
こぼれ灯 こぼれ灯…
拾う小さな 春の音

いつも気後れ 戸惑いばかり
長くその殻 破れぬままに
それもあなたと 今越えて
人の一生 決まるのを
こぼれ灯 こぼれ灯…
わたし見ました 目の中に

風に煽られ すぼめたままの
傘もうれしい 夕咲きしぐれ
肩の匂いも ぬくもりも
この手伸ばせば そこにある
こぼれ灯 こぼれ灯…
生きてゆきます 今日からを

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儚な酒 – 清水たま希

何がしあわせ 不しあわせうんとあるのね 人の世はグラスゆらせば 立つ波もしょせん硝子の 中のこと思い出させて 夜がゆくみんなうたかた 儚な酒一つ二つは 誰もある

花咲小路 – 清水たま希

お店の提灯 ポツポツと並んで灯ともす その様はハモニカみたいな 口をして浮世の嘆きの 笛を吹く飲みましょう 忘れましょうとくとく徳利 人の徳飲みましょう 忘れま

港の走り傘 – 清水たま希

いつも港は 出船の匂い昔ここにも いたと云う海に縁ある 人だものそこはもう賭け 最後の賭けとあなた名前の 灯をともし帰り船待つ 浜酒場手もち無沙汰に 海鳴り聴い

夕月の花 – 清水たま希

しあわせに なる為の今はまだ まわり道あなたの励まし あればこそ幾坂 この坂 越えた坂生きるに下手な 私でもあなたに寄り添い 生きたいのついてゆきます 夕月の花

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「分かりますとも ひと目みて娘さんだと 貴女のことは」この日は母の 花供養そっと微笑む そのひとの肩のむこうに 揺れる花来てくれましたよ お母さん季節はずれに 

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