深居優治

相対温度 – 深居優治

『君さえ居れば、それでいいよ』と
誤解してたの、僕が僕に出会うまで。

何度目の春ですか?
何度繰り返しても
ぬくもり感じるのは
やたら長い冬を越えるから。
何度目の冬ですか?
それでも震えてるのは
僕の中の温度が
いつまでも一人分だから。

そんな単純なことにも
気付けなかった僕が

『君さえ居れば、怖くないよ』と
怯えてたのは君が離れること。
君と僕で『二人』だったのに
君が消えたら僕は『一人』ですらない、足りない。

隣り合わせに感じてないと
君の温度も忘れてしまう。
君と僕で一人じゃなくてよかった。
また明日、逢いにゆくよ。

離れてたって伝わるもの
離れてないと伝わらないもの
増えてゆくほど立体になる
僕の知らない君を教えて。

何度でも恋をしよう。
何度でも確かめよう。
ぬくもり感じるのは
君が君で僕が僕だから。
『君が居て僕が居る』
それが僕で、それが君だと
言えるようにしたいから。

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