海援隊

母に捧げるバラード – 海援隊

[語り]お母さん今僕は思っています
僕に故郷なんかなくなってしまったんじゃないかと
そしてひとつ残っている故郷があるとすれば
お母さんそれはあなた自身です
あなたは何から何まで故郷そのものです
今ここでこうして静かに目を閉じていると
お母さんあなたの声が聞こえてくるんです
お母さんの声が聞こえてくるんです

今も聞こえるあのおふくろの声
僕に人生を教えてくれた優しいおふくろ

[語り]コラッ 鉄矢 何ばしょうとかねこの子はテレッとして
早うおまえ学校いってこんかおまえ
近所の人からいつもおまえ何て噂されようか知っとうとか
タバコ屋の武田方の息子はフォークソングぐるいの
おまえバカ息子バカ息子って
噂されよっつお ほんなこっそれにおまえ
いつもつまらん女にばっかり騙されておろうが
最近の女はネェあんたチチバンドの中に
クラゲの頭のごとあんた男をたぶらかすばっかし
早く学校へ行ってこんかこのバカちんがクサッ
待て待て鉄矢おまえまたタバコばっ黙って持っていきよるが
ほんなこつ腹のたつ
家の稼業がタバコ屋からってこの子は
小学校4年の時からタバコの味覚えて中学校1年の
歯の検査の前おまえザクトライオンで
一生懸命おまえ歯のウラオモテ磨くだろうが
まだわからんとか かあちゃんがこのタバコ屋を経営するために
どげん苦労しょうか
血と汗と涙で汚れた女の半生がまだわからんとかこんな事が
行ってこいあんた何処へでも行ってきなさい
かあちゃんあんたの事は息子がおらん事になっても何も寂しゅなかよ
鉄矢ひとつだけ言うとくがなあ人さまの世の中でたら
働け働け働け鉄矢働いて働いて働きぬいて休みたいとか遊びたいとか
そんな事おまえいっぺんでも思うてみろ
そん時はそん時は死ねそれが人間ぞそれが男ぞ
おまえも故郷をすてて花の都へ出てゆくかぎりは誰にも負けたらつまらん
輝く日本の星となって帰ってこい
行ってこいあんた何処へでも行ってきなさい

今も聞こえるあのおふくろの声
僕に人生を教えてくれた優しいおふくろ

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