浅葱

雲の通ひ路 – 浅葱

上がりたる世 降らぬ天水(あまつみづ)
人はおかみに乞ひたるに
淡海より現れ給ひて 巌(いはお)破る

瑞山の裾に主たる大蛇(おろち)の同胞(はらから) 住まひけり

朝影は日の在り処を護(まぼ)り 月影は敷闇を護り給ふ

萌野 そより 風光る田代
蛙(かはづ)喜ぶ春時雨
睦まやかに朝夕暫く打ち語らふ

水(み)無し川 淀む細流(せせらぎ) 力及ばぬ 諸共に

弟(おとと)は人を哀れみ助く 兄(せうと)は人を心付きなし

上がりたる世 降らぬ天水
人はおかみに乞ひたるに
淡海より現われ給ひて 厳破る

紅(あけ)に染むる弟は身罷(みまか)る
兄は荒(さ)び 泣き染み付く
命の露 流らひ虹(のじ)立つ 雲の通ひ路

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花雲の乱 – 浅葱

覚え浮かぶは初草の程 花雲を眺む女童(めのわらは)はいつしか真乙女(まをとめ)と生(お)ひ成りにけり思ひ兼ぬ さやぐ糸桜の下 契り交はす拙(つたな)くて やはか

鬼眼羅 – 浅葱

時は平安雨雲迫りて一面に暗(く)れ塞がりたり霹靂(はたた)く天より荒(あら)ましき雄(を)の鵺(ぬえ)現るひょうひょう怪しかる黒煙と音 頼政は弓箭(きゅうせん)

冬椿~白妙の化人~ – 浅葱

春やは遠き 夜半の徒路(かちじ) 降り積む雪は深々と染む行方も知らぬただ身すがらの私めを 夫(つま)は娶りて暮らしつ咲き撓(おお)る冬椿(はな) 限りなき美山流

隠桜 – 浅葱

此処や何処(いどこ) 我は誰(た)そ 寒しや雨もよに佇み歩(あり)く 為(せ)む方無し何も思ひ出でず ただ咲き出たる花 懐かし然れど心に背き 血はこの身に染み着

白面金毛九尾の狐火玉 – 浅葱

山のへに狐火玉 照(と)れば華やかに嬉しげなる玉女いざ給へ 小夜中に宴(えん)す今宵 来たる客人(まろうど)誰(た)そ歌へ 踊れ 酒を酌め こうこう黄金(こがね

螢火 – 浅葱

吹き澄ましたる幽玄の横笛は夜さりに鳴り響(とよ)む稚(いとけな)き様 鋭(すすど)し牛若は太刀を構へたり弁慶よ 千の太刀奪(ば)ひ取ること叶わんや巡り会ひける縁

物の怪草子 – 浅葱

誰(た)そ彼時(かれどき)より蠢(をごめ)き初む妖(あやかし)百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)に逢ひぬれば命堪へず おどろおどろしや日に異(け)に月影増せば我が眼(

妖刀玉兎 – 浅葱

月の御殿(みあらか)に蔵(きす)める宝は二つなき妖刀玉兎なり我が心焼く青し星 如何ならむいみじと思へばこそ玉兎を持ちて一事(ひとこと)も見洩らさじと護(まぼ)り

畏き海へ帰りゃんせ – 浅葱

今宵の海は赤かろう饑(ひだる)し我が子が父(てて)喰らふ畏き海へ帰りゃんせ畏き海へ帰りゃんせ沖へと小舟を漕ぐ 水面にし垂るる糸逸らしつる魚(いを) 海境(うなさ

月界の御子 – 浅葱

我 月界の御子なり望月の夜 飛車に乗りて参らむ御簾(みす)より覗くは聞き愛づる不死の山徒(いたずら)に流るる時 月の都を出で立ち 巡り逢ふ秋闌(た)けて燃ゆる心

大豺嶽~月夜に吠ゆ~ – 浅葱

秋方(あきつがた) 心清し山人(やまうど)は獣拾ひて養ひけりベうベう手負ひの豺は萱草山(かやぐさやま)にて行き離る夜いたう更けてなむ皆人静まりて後(のち)に鶏(

アサギマダラ – 浅葱

木染月(こぞめつき)の頃 母も知らぬ身となりけり 生まれ立(だ)ち鬼女蘭(きじょらん)食らひて小さき童(わらは)は夢路を辿る冬ながら春を思ひ遣(や)る 御祖(み

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