浅葱

螢火 – 浅葱

吹き澄ましたる幽玄の横笛は夜さりに鳴り響(とよ)む
稚(いとけな)き様 鋭(すすど)し牛若は太刀を構へたり

弁慶よ 千の太刀奪(ば)ひ取ること叶わんや

巡り会ひける縁(えに) 後の世まで語り継がるる名を上げ
果(おほ)せつるものならば懸命に生く我が代を悔いず

時は流れて草木も靡(なび)くほど心太く生(お)ひ行く
憤(いきどお)り止まぬ兄(このかみ)は我に悋気(りんき)し遣らひけり

燿(かがよ)ふ夢がましき短夜(みじかよ) 源氏螢(ほたる)や

この軍(いくさ) 然てまた剛の者を見果てむとこそ思へど
闘諍(とうじゃう)を欲りし定め 我が命(めい)をもやがて尽きなむ

巡り会ひける縁 後の世まで語り継がるる名を上げ
果せつるものならば懸命に生く我が代を悔いず
螢火消(き)ゆ

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雲の通ひ路 – 浅葱

上がりたる世 降らぬ天水(あまつみづ)人はおかみに乞ひたるに淡海より現れ給ひて 巌(いはお)破る瑞山の裾に主たる大蛇(おろち)の同胞(はらから) 住まひけり朝影

花雲の乱 – 浅葱

覚え浮かぶは初草の程 花雲を眺む女童(めのわらは)はいつしか真乙女(まをとめ)と生(お)ひ成りにけり思ひ兼ぬ さやぐ糸桜の下 契り交はす拙(つたな)くて やはか

鬼眼羅 – 浅葱

時は平安雨雲迫りて一面に暗(く)れ塞がりたり霹靂(はたた)く天より荒(あら)ましき雄(を)の鵺(ぬえ)現るひょうひょう怪しかる黒煙と音 頼政は弓箭(きゅうせん)

冬椿~白妙の化人~ – 浅葱

春やは遠き 夜半の徒路(かちじ) 降り積む雪は深々と染む行方も知らぬただ身すがらの私めを 夫(つま)は娶りて暮らしつ咲き撓(おお)る冬椿(はな) 限りなき美山流

隠桜 – 浅葱

此処や何処(いどこ) 我は誰(た)そ 寒しや雨もよに佇み歩(あり)く 為(せ)む方無し何も思ひ出でず ただ咲き出たる花 懐かし然れど心に背き 血はこの身に染み着

白面金毛九尾の狐火玉 – 浅葱

山のへに狐火玉 照(と)れば華やかに嬉しげなる玉女いざ給へ 小夜中に宴(えん)す今宵 来たる客人(まろうど)誰(た)そ歌へ 踊れ 酒を酌め こうこう黄金(こがね

物の怪草子 – 浅葱

誰(た)そ彼時(かれどき)より蠢(をごめ)き初む妖(あやかし)百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)に逢ひぬれば命堪へず おどろおどろしや日に異(け)に月影増せば我が眼(

妖刀玉兎 – 浅葱

月の御殿(みあらか)に蔵(きす)める宝は二つなき妖刀玉兎なり我が心焼く青し星 如何ならむいみじと思へばこそ玉兎を持ちて一事(ひとこと)も見洩らさじと護(まぼ)り

畏き海へ帰りゃんせ – 浅葱

今宵の海は赤かろう饑(ひだる)し我が子が父(てて)喰らふ畏き海へ帰りゃんせ畏き海へ帰りゃんせ沖へと小舟を漕ぐ 水面にし垂るる糸逸らしつる魚(いを) 海境(うなさ

月界の御子 – 浅葱

我 月界の御子なり望月の夜 飛車に乗りて参らむ御簾(みす)より覗くは聞き愛づる不死の山徒(いたずら)に流るる時 月の都を出で立ち 巡り逢ふ秋闌(た)けて燃ゆる心

大豺嶽~月夜に吠ゆ~ – 浅葱

秋方(あきつがた) 心清し山人(やまうど)は獣拾ひて養ひけりベうベう手負ひの豺は萱草山(かやぐさやま)にて行き離る夜いたう更けてなむ皆人静まりて後(のち)に鶏(

アサギマダラ – 浅葱

木染月(こぞめつき)の頃 母も知らぬ身となりけり 生まれ立(だ)ち鬼女蘭(きじょらん)食らひて小さき童(わらは)は夢路を辿る冬ながら春を思ひ遣(や)る 御祖(み

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