浅葱

物の怪草子 – 浅葱

誰(た)そ彼時(かれどき)より蠢(をごめ)き初む妖(あやかし)
百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)に逢ひぬれば命堪へず おどろおどろしや

日に異(け)に月影増せば
我が眼(まなこ)はいと神妙(しんべう)なり

見えぬ化生を見顕(みあらは)せば
忽(たちま)ちに叢(むら)は押し掛くる
わうじゃくたる敵(かたき)末(すゑ)は更なり
いで来たれ 其れ其れ 見参せむ

咲きすさびたる待宵草(まつよひぐさ)よ 共に月夜見(つくよみ)の光を浴み
良夜にすべし 十五夜の湛(たた)はしかる我に挑むべき事かは

妖刀玉兎を抜きて殊(こと)と討ち放す 妖の天下(てんが)など夢の夢の夢
臍(ほぞ)を噛め

にはかに雲隠(がく)る頃
淵に無慚(むざん)なる牛鬼(うしおに)迫(せ)む

闇の現 気色(けしき)覚ゆ
打ち延(は)へて毒霧の迷ひ
雲返す風は我に与(くみ)す
大将軍(だいしゃうぐん)よ やうやうござんなれ

此の剣太刀(つるぎたち)磨ぎし心は世界へと天(あも)降りし我が宝
風月の音に舞い出づ 我が世に斬れぬものやはありく

咲きすさびたる待宵草よ 共に月夜見の光を浴み
良夜にすべし 十五夜の湛はしかる我に挑むべき事かは

物の怪草子は打ち続く

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雲の通ひ路 – 浅葱

上がりたる世 降らぬ天水(あまつみづ)人はおかみに乞ひたるに淡海より現れ給ひて 巌(いはお)破る瑞山の裾に主たる大蛇(おろち)の同胞(はらから) 住まひけり朝影

花雲の乱 – 浅葱

覚え浮かぶは初草の程 花雲を眺む女童(めのわらは)はいつしか真乙女(まをとめ)と生(お)ひ成りにけり思ひ兼ぬ さやぐ糸桜の下 契り交はす拙(つたな)くて やはか

鬼眼羅 – 浅葱

時は平安雨雲迫りて一面に暗(く)れ塞がりたり霹靂(はたた)く天より荒(あら)ましき雄(を)の鵺(ぬえ)現るひょうひょう怪しかる黒煙と音 頼政は弓箭(きゅうせん)

冬椿~白妙の化人~ – 浅葱

春やは遠き 夜半の徒路(かちじ) 降り積む雪は深々と染む行方も知らぬただ身すがらの私めを 夫(つま)は娶りて暮らしつ咲き撓(おお)る冬椿(はな) 限りなき美山流

隠桜 – 浅葱

此処や何処(いどこ) 我は誰(た)そ 寒しや雨もよに佇み歩(あり)く 為(せ)む方無し何も思ひ出でず ただ咲き出たる花 懐かし然れど心に背き 血はこの身に染み着

白面金毛九尾の狐火玉 – 浅葱

山のへに狐火玉 照(と)れば華やかに嬉しげなる玉女いざ給へ 小夜中に宴(えん)す今宵 来たる客人(まろうど)誰(た)そ歌へ 踊れ 酒を酌め こうこう黄金(こがね

螢火 – 浅葱

吹き澄ましたる幽玄の横笛は夜さりに鳴り響(とよ)む稚(いとけな)き様 鋭(すすど)し牛若は太刀を構へたり弁慶よ 千の太刀奪(ば)ひ取ること叶わんや巡り会ひける縁

妖刀玉兎 – 浅葱

月の御殿(みあらか)に蔵(きす)める宝は二つなき妖刀玉兎なり我が心焼く青し星 如何ならむいみじと思へばこそ玉兎を持ちて一事(ひとこと)も見洩らさじと護(まぼ)り

畏き海へ帰りゃんせ – 浅葱

今宵の海は赤かろう饑(ひだる)し我が子が父(てて)喰らふ畏き海へ帰りゃんせ畏き海へ帰りゃんせ沖へと小舟を漕ぐ 水面にし垂るる糸逸らしつる魚(いを) 海境(うなさ

月界の御子 – 浅葱

我 月界の御子なり望月の夜 飛車に乗りて参らむ御簾(みす)より覗くは聞き愛づる不死の山徒(いたずら)に流るる時 月の都を出で立ち 巡り逢ふ秋闌(た)けて燃ゆる心

大豺嶽~月夜に吠ゆ~ – 浅葱

秋方(あきつがた) 心清し山人(やまうど)は獣拾ひて養ひけりベうベう手負ひの豺は萱草山(かやぐさやま)にて行き離る夜いたう更けてなむ皆人静まりて後(のち)に鶏(

アサギマダラ – 浅葱

木染月(こぞめつき)の頃 母も知らぬ身となりけり 生まれ立(だ)ち鬼女蘭(きじょらん)食らひて小さき童(わらは)は夢路を辿る冬ながら春を思ひ遣(や)る 御祖(み

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