津田文彦

黒潮の詩 – 津田文彦

海の青さが 心にしみて
想い出すのさ 遠い日を
短い二人の 結べぬ糸に
泣いて別れた 波止場から
数えて十年 また五年
未練が今も この胸に…

夢を追いかけ 一途に生きて
あっと云う間の 春と秋
逢いたい気持に 変りはないが
潮路はるかな 距たりに
忘れるものかと 振りむけば
いつしか面影も おぼろ気に…

それが運命と 頷きながら
風に揺れてる 白い花
遠くで倖せ 祈っていると
波が語るか 海鳥か
男の情の 詩ならば
歌うよ俺も 黒潮に…

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