沢井明

嘘の積木 – 沢井明

あなたがいつわり 重ねるたびに
笑顔がやつれる 胸の内
指輪のサイズは わかっていると
言われて信じて 三年過ぎた
一つ積んでは 言い訳を
二つ積んでは わがままを
嘘の積木が 嘘の積木が
くずれる予感に おびえる私

真綿(まわた)でくるんだ やさしい嘘に
心を絞(し)められ 動けない
女の弱みを にぎった人の
寝言のつづきに 夢など見ても
一つ積まれて 許したら
二つ積まれて 泣きを見る
嘘の積木を 嘘の積木を
あなたが止(や)めたら 出直せるのに

一つ積んでは 言い訳を
二つ積んでは わがままを
嘘の積木が 嘘の積木が
くずれる予感に おびえる私

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