沖ちづる

向こう側 – 沖ちづる

東京にはもうすぐ雪が
今年初めての雪が降るらしい
それでも今日は冷たい雨が降っていて
古びた窓に雫が跳ねている

今日は懐かしい友人の集まりで
みんながマフラーを一斉に外してゆく
紅茶を三つ、あとコーヒーが一つ
顔のほころんだみんなが話し出す

駅から離れた赤い扉の喫茶店
冷たい雨が降る窓の向こう側

前の彼から離れられないと嘆く
あの子の瞼はきらきらと光っている
心を病んだ知り合いの話をしてる
あの子の唇は艶やかなオレンジ

みんな笑ってた 今が一番楽しいねと
ただ私は頷いた 頷くだけ頷いた

何にもないな私には
なんでもないよとごまかして
何にもないな私には
なんでもないよとごまかして

湿った空気が入り込む喫茶店は
暖かな時がゆっくりと流れている
こんな雨の昼下がりでも少し騒がしく
カラフルな傘は次々と畳まれてゆく

就職先が決まりそうなんだと笑う
あの子は少し恥ずかしそうに話し出す
みんなは大きな声を上げて喜んで
お祝いしなきゃねと私の方を向いた

駅から離れた赤い扉の喫茶店
この雨は雪に変わってゆくだろうか

何にもないな私には
なんでもないよとごまかして
何にもないな私には
なんでもないよとごまかして

何にもないな私には
なんでもないよとごまかして
何にもないな私には
なんでもないから気にせずに

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