永井龍雲

顧みて – 永井龍雲

タバコ屋の赤い公衆電話から
三日に一度のふるさと電話
10円玉を右手一杯乗せて
左手でダイヤル回した

手紙の返事を出せない言い訳を
後ろめたさが早口にする
君は頷く「ウンウン」と何か
言い掛けて通話が途絶えた

夢さえなければ すぐに帰りたかった
夢さえなければ 君のそばにいたかった

寝台列車を降り立ったあれから
幾十年かの時が過ぎ去り
都会に憧れ僕が得たものは一体
顧みて何だったのか

虚しいばかりの諦めの気持ちと
少しばかりの要領良さと
君を失くした後悔とそれを
埋め尽くせない哀しみと

夢しかなかった 心支えるものは
夢しかなかった 君に誇れるものは

夢さえなければ すぐに帰りたかった
夢さえなければ 君のそばにいたかった

人気の新着歌詞

メリー・クリスマス – 永井龍雲

待ちわびて 白い雪は今年もクリスマスの朝には間に合いそうにない鉢植えの 赤いポインセチアをどこへ飾れば 貴方の気をひくかしら部屋の灯りを 少し暗くしてキャンドル

屋台 – 永井龍雲

愛想の足りないこの俺をお前は健気(けなげ)に庇うのか故意(わざ)とふざけて 羽目はずしお客と笑う声がする博多で 屋台を初めて十ヶ月(とつき)この頃少し 慣れてき

恋はゆっくり時間をかけて – 永井龍雲

恋はゆっくり時間をかけて愛の余韻を楽しむようにロマンチックに 追ってほしいのふざけ過ぎた 真夜中パーティー月明りに 波の甘いざわめきノスタルジックな 気分に任せ

お遍路 – 永井龍雲

鈴を打ちならし日翳を選んで通るあれはお遍路よ島を巡り歩く人生の重みを杖一つでやっと支えながら老いた身体(からだ)には山路は嘸(さぞ)や辛かろ畦の紅蓮華乾いた心に

飛鳥 – 永井龍雲

何処までも続く青空はない森羅万象(すべてのもの)に限りある 生命(いのち) 人は 喜びの日を人は 哀しみの日をだから 共に花で 飾る飛鳥遥かな 旅立ちにあなたの

カトレア – 永井龍雲

新聞受けの音で 目が覚めてねむけ眼(まなこ)で お湯を沸かして珈琲の香りを 嗅いだなら僕の一日が 始まるやり掛けの仕事が テーブルに散らかったまま 時を急(せ)

蘇る夏 – 永井龍雲

夏空に響き渡る 蝉の鳴き声が人の心打つのは 命の儚(はかな)さのんべんだらり 時の峡間(はざま)で当てもなく揺れて現実(いま)を生き抜く 情熱もなく未来(あす)

暖簾 – 永井龍雲

心にポツンと寂しさの明りが灯るやさしい人に逢いたい こんな夜には温たかな言葉に ふれたい暖簾を 潜(くぐ)って立ち上る湯気(けむり)の行方にもささやかな人生 謳

桜桃忌~おもいみだれて~ – 永井龍雲

襟元に吹く風が 心地よく肌に馴染む衣更えが恋しく思える今年も夏が来た帰らない青春と ともに戻らぬ人いつもならば 忘れているのに思い出す 桜桃忌若さは 時として残

つまさき坂 – 永井龍雲

爪先上がりの坂道で偶然君と出会ったのは春の日にしては肌寒く日射しの頼りない午後の事うつむき加減に坂を下りて来る君を僕はもう疾くに立止まり見ていたふと目を上げたそ

愛し愛されて – 永井龍雲

あなたの腕の中で抱かれて眠りたい悲しい出来事あった時は仕事のこと忘れて そばにいてほしいそして優しい言葉 かけてほしいのたまには 恋人時代のように映画に出掛けて

捨て猫 – 永井龍雲

信じた男に 捨てられてボロボロになった 私に何か暖まるものをください寒くて今にも死にそうなんです浮かれた夜の盛り場に迷い込んだ私をあんた ほしいなら抱いていいよ

想い – 永井龍雲

どうしたなら この苦しみを逃れることが出来るのか何と唄えば 僕の想いが君に伝わるのだろうか編物を膝におき 君がまどろむ部屋に僕は風になって 窓からしのびこみ君の

親友への手紙 – 永井龍雲

俺とお前は 無二の親友だから何かあった時は 連絡してくれよしばらく会っては いなかったけれど変わらぬ昔の気持ちでお前となら会える いつだって学生時代 あいつの教

ルリカケス – 永井龍雲

波穏やかな瀬戸内の 久慈の入江に佇めばあの日幼き母さんの おてんば姿が目に浮かぶ辛いばかりが人生と あなたを見てて思ったけれどこんな素敵な島育ち 良かったね母さ

献杯 – 永井龍雲

ひょっこりいつも 現れたカウンター席の 端っこにイカの塩辛 肴にして夏でも熱燗 呑んでいた目立たないけど 目立ってた黙って話しを 聞いていた人の心に 寄り添った

愛はまだ輝きの中 – 永井龍雲

暗い影が知らぬ間に 二人の隙間に忍び込んでいたこと 気付かないでいたどこで何をしていようと 無関心でいたそれが大人の男と女の流儀と 勘違いして愛はまだ輝きの中 

めぐりあわせ – 永井龍雲

今はもう色褪せた 青春の日々共に語り合えば あの日が甦る黄昏色染まる 放課後校庭手を繋ぎ帰った 若き恋人ここで再び二人めぐりあって幼くて言えなかった 想い伝える

オイビト – 永井龍雲

腹から笑えることなどはこの先幾度もありゃしない長生きなんてしてみても何の褒美も出やしない馬鹿らしいほど必死になっていじらしいほど冷や汗かいてそれが何だと言わぬば

胡桃 – 永井龍雲

道で見つけた 可憐な花の名前さえ知らずに 生きて来た胡桃のような 固い指先で触れようもなら 折れてしまうだろう真面目なだけが 取り柄だった仕事ばかりが 生き甲斐

Back to top button