水無月琴子(小菅真美)

見えない小石 – 水無月琴子(小菅真美)

通い慣れた道で 無邪気に笑い合ってたい
幸せなこのままで 時を止めて
もしも今 心が 小石を投げてしまったら
穏やかなこの場所に 戻れなくなる

なのに何故なの 押さえた想い
日毎 声を上げる

はらはら舞い遊ぶ 薄紅の花びら
ゆらゆら風の中 揺れてざわめく心よ

彼女の微笑みを 壊すものは許せなくて
どんな悲しみからも 遠ざけたくて

なのに何故なの 隠した恋は
夜毎 色をつける

ひらひら逃げてゆく オオムラサキの薄衣
からから糸車 紡ぎきれない心よ

見つめないで 見透かさないでいて
胸の奥に 眠らせていて
ずっと ずっと 笑顔でいて このままで

きらきら降りそそぐ 優しい光を浴びて
さらさら川の面に 青く渦巻く心よ
はらはら舞い遊ぶ 薄紅の花びら
ゆらゆら風の中 揺れてざわめく心よ

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たったひとつ – 水無月琴子(小菅真美)

たったひとつ うそをついたひとつだから 特別じゃない大丈夫 すました顔でいよう それだけでいいたったひとつ うそをついたせつなくなるのは何故?ごめんねって言える

好きと云えなくて – 水無月琴子(小菅真美)

夏に灼かれしこの町で 焼けたあなたの腕のそば強い日差し眩しくて 恋も焦がれます氷食べ食べ歩く道 土の匂いと蝉時雨きらり光る打水も 恋には効きません午後の日に照ら

透明な心 – 水無月琴子(小菅真美)

静寂に揺れる 薄い紫のあやめのような強さが欲しくて背筋を伸ばし 歩き続けてたさびしさや痛み 閉じ込めたまま胸の奥 持て余してた情熱 ほどく勇気をそっと くれたひ

風のてがみ – 水無月琴子(小菅真美)

風よ、伝えてよ 燃えるこの想い紅い落ち葉に乗せて あの人に届けてひとりごとで呟いた「好き」のひとこと木の葉たちが聞き耳を立てたけれどもう 聞かれたっていい 空に

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