水沢明美

母恋だより – 水沢明美

忘れられない 背中のぬくみ
思い出させる 母の文字
赤い夕焼け 沁みる日は
遠いふるさと 近くなる
せめて唄おか あの唄を
  
桜 山吹 風船かずら
秋の紅葉で 冬が来る
何も心配 いらないと
心配りの この手紙
読めば涙が またにじむ

歳を重ねて しみじみ判る
人の情けと 母ごころ
逢いに行きたい 帰りたい
たとえ一泊二日でも
せめて笑顔を 手土産に

あすは山越え どこまで行こか
今じゃなつかし ふるさとへ

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おとうちゃん – 水沢明美

他人(ひと)にゃ見せない 弱気と涙浪花気質(なにわかたぎ)の 一本気うちはあんたが 好きやから頼りにしてます おとうちゃん泣くのも一緒 笑うも一緒なあ おとうち

おんな春日和 – 水沢明美

昨夜(ゆうべ)他人で なくなって今朝は他人で さようならそんなみじめな 恋なんか二度としないと きめたのにいつか愛した あの人もやはり遊びで 失(き)えてった悔

大阪なさけ – 水沢明美

酒にのまれて わたしを泣かすそんな人でも 好きは好きあんたが命や 大阪なさけ…阿呆と言わりょが 芯から惚れて苦労買います 浪花のおんなせまい店でも 道頓堀川端に

よりそい坂 – 水沢明美

一に一たしゃ 二になるけれど思いどおりに ならないわ 夢勘定情けひとすじ 涙が重いしんどいねって 言いながら顔を見合せ 越えてゆくよりそい坂は ふたり坂道をひと

口笛吹けば – 水沢明美

あの道この道 肩組めば夕日に染まる 水車小屋誰が唄うか 青春をいまも消えない この胸の友あぁ遠き口笛吹けばこの唄が 昭和を偲ぶ小川に映った 柿の実が色づく頃を 

おんなの坂道 – 水沢明美

人並みの 暮らしより情けがほしい 時もあるおんなの坂道 まだ半ば若くもないけど わたしでも残りの人生 頑張れるよと雨をしのいで 晴れを待つ育つほど あのひとを重

望郷ひえつき節 – 水沢明美

親にもらった 躰を泣かすそんな不幸な 便りは出せぬ旅の情けに 濡れるたび遠いふるさと 思い出す庭の山椒(さんしゅ)の木鳴る鈴かけてよヨォーホイーかけて 望郷ひえ

ふるさと心 – 水沢明美

二年ぶりに 故郷(ふるさと)の乗り合いバスを 降りたなら稲穂の向こうで 手を振りながら母さんが…帰って来たね 久しぶり笑ったえくぼが 変わらないやさしかった 父

春の坂道 – 水沢明美

あの坂この坂 ふりむけばわかるでしょ 人生の 迷い歩きの足跡が…あなたをずっと 信じます女でいたことの 喜びをそっとくれたわ いつだって歩こうねふたりで 春の坂

天王寺詣り – 水沢明美

鐘が鳴ります 愛染坂(あいぜんざか)で西の空から 日も暮れる天王寺さんへ お詣りしましょ手をつなぎ…幼い頃を 想いだすねぇ…お母さん石の鳥居へ 小さな歩幅久しぶ

北の嫁っこ – 水沢明美

地鳴りが戸板を 叩くから浅い眠りに 夜明けも遠い待ち火を燃やして あと三月ひとりでお父(どう)の 帰り待つアイヤー無事でな 会いたいよ指折り数える 嫁っこにゃ長

紅葉坂 – 水沢明美

忘れた事など 一日もない今は返らぬ ひとだけど生みの親より 深い愛私にかけて くれた母(ひと)ごめん ごめんね たったひとつの 恩返し出来ずじまいの 紅葉坂春夏

鴨川しぐれ – 水沢明美

あなた命と ついてきて結ぶすべない 錦帯(にしきおび)忍び逢うのも 今日限り四条(しじょう)木屋町(きやまち) なみだ雨夢も濡れます 鴨川しぐれ名残り惜しさに 

さんさ恋しや – 水沢明美

夢を追いかけ 故郷(ふるさと)捨てた車窓(まど)に夕陽の 予讃線(よさんせん)しゃあないね しゃあないね帰れないけど しゃあないね…瀬戸の宇和島 あの人と泣いて

浪花一番 – 水沢明美

しんどい時ほど 笑ってみせる泣いたらあかんで 人生勝負今日は脇役(わき)でも 明日は主役夢の背丈は 通天閣と五分を 五分をはります浪花一番… 女伊達弱音をはいた

八百八橋おんな節 – 水沢明美

ゴクリゴクリと のど鳴らし瓶を逆さに 呑み干したそんな酔いどれ この世に一人ええよ とことん ついて行く惚れて浮世川(うきよ)の 八百八橋(はっぴゃくやばし)渡

因幡なさけ唄 – 水沢明美

生きるに下手な この人となんの因果で 暮らすやらひと旗あげるが 口癖でそんなあんたが かわいやのう…そばにいるわよ 一生そばに岩戸(いわど)港に 日が暮れる縁が

ひとり居酒屋 – 水沢明美

お酒呑むたび 悲しくてたまらないほど 淋しいのそんな心を ひきずりながら来ないあなたを 今夜も待つのひとり居酒屋 なみだ酒なみだ酒お前ひとりが 命だと言った言葉

春がきっと来る – 水沢明美

男に生まれて 抱いた夢はひたすら追いかけ つかみとれあとには戻れぬ 人生だから苦労のあらしに 耐えてこそ汗に見合った 春がきっと来る誰にもあるのさ 夢追うつらさ

紅散華 – 水沢明美

ハラリ…風に抱かれハラリ…惜しむようにただ静かに散るは 紅(くれない)の華あぁ 今夜女に生まれあぁ 明日(あす)命尽きても狂おしく 艶(あで)やかにこの身を 咲

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