武蔵坊弁慶(宮田幸季)

満月の雫は媚薬 – 武蔵坊弁慶(宮田幸季)

…どこへ行くんですか?
君は永久の刹那よ
胸の痛み残す涙
満月の雫は媚薬…

花の影すり抜けた 迷い蝶がひらりと
舞い降りた君の素足 つま先は花びら
咎人に似合わない 美しすぎる今宵よ
これ以上関わってはいけないと 誰に言う?

君をこのまま この漆黒の衣で
隠しても隠せない まぶしさ

君は可愛い人ですね
星を数えながら いつか淡いうたた寝
そして君はいけない人ですね
不意の慟哭 膝にふれる熱い涙
満月の雫は 媚薬

足音を忍ばせて 幻が渡殿をゆく
眉ひとつ動かさずに 見送れば静寂
咎人はいつの日か 報い受けるんでしょう
初めから消えるはずの 君を失くすことで

うつり気という 紫陽花の花言葉
移ろいて移ろえぬ 想いよ

君は優しい人ですね
誰の苦しみさえ 真に感じ傷つく
そして君はいけない人ですね
不意に目覚めて 何もかもを知った瞳
満月の雫は媚薬

君は気高き人ですね
いつも向かい風に 髪をなびかせ進む
そして君はいけない人ですね
僕にせつなく 胸の痛み残す涙
満月の雫は 媚薬

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