橋爪もも

小さな声 – 橋爪もも

閑静な町が 静かに歪んでいった夕暮れ
あなたの孤独に巻き込まれ 私はあの日死にました
寂しがらないようと未遂をした 母に声を届けたくて
耳鳴りのような音しか出せない

私の声を聞いて どうか泣かないで ごめんなさい愛してる
あの日突然訪れた長い悪夢 この世界が彼女の現実

体裁と安寧のため 犠牲になってもらいます
自分の身を守るためなら 彼らはどこまでも非常だ
私たちを忘れないでと叫んだ 小さな声を振り切って
辻褄を合わせ 正解を作った

私の声を聞いて 見つけてください 孤独に待つかの人も
あの日突然訪れた長い悪夢 この世界を彼らが決める

憔悴と体面のため 犠牲になった知らぬ人
浴びせかけられる怒声罵声に ただ朦朧としていく
分厚い塀の中時だけが積もる「その人はやってなどいない」
この激情は 世の中の餌じゃない

私の声を聞いて 真実は目の前 でも届かない届かない
あの日突然訪れた長い悪夢 この世界が彼の現実

全部違うと 今やっと振り出しに戻ったというのに
どうして ごめんなさいが言えないの
過去を隠し 前進もしない

阻まれるささやかなこの声を信じて 目を開け目を開け
あの日突然訪れた長い悪夢 生きているあなたたちへ送る

人は命を削り 孤独と戦い 許しあって 消えてゆく
あの日突然訪れた真実に この世界を変えられるのは

私たち

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