榎本美佐江

お俊恋唄 – 榎本美佐江

忍び泣きして からだもやせて
結ぶ帯にも 女の泪
こんなわたしに したまま気まま
旅に出た人 旅に 旅に
旅に出た人 恨みはせぬが
思いすごしか 茶碗酒

ぬれた枕に 頬すりよせて
呼んですがって 両手を合わせ
夢になりとも 逢いたいものと
泣けば雨風 泣けば 泣けば
泣けば雨風 夜明けのからす
女泣かせの 鐘がなる

神にねがいを 新太郎さんに
茶だち塩だち お百度詣り
またの逢う瀬を 命にかけて
待ってこがれて 待って 待って
待ってこがれて 五年はおろか
柳新芽の 枯れるまで

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後追い三味線 – 榎本美佐江

後を追うなと薄情がらす闇にひと声 月夜に三声すがりつかせぬ道中合羽糸も切れそな三味線抱いて泣いてまた越すおんな坂末はこうよと承知の筈が惚れた弱味のこの未練酒酔え

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