椋忠治郎

別れの泊り崎 – 椋忠治郎

海鳴りだけが 絶え間なく
聞こえる町の 淋しさよ
逢えばお前を 泣かせる俺が
恋に惹かれる 恋に惹かれる
泊り崎

とぎれるままに 語り合う
まどべの月の かなしさよ
こころつないで あの海深く
落ちてゆけたら 落ちてゆけたら
よいものを

思い出ひとつ 恋ひとつ
分けあう夜の みじかさよ
明日の別れにゃ あの海鳴りを
どんな思いで どんな思いで
聞くのやら

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津和野・旅情 – 椋忠治郎

ツワブキの 津和野は古い 城下町霧がながれて 空がながれて明ける町あゝもう津和野は秋よ肩にはらはら もみじの色は悲恋・坂崎 千姫の思いかよわぬ まぼろしか白壁と

すすき野五番街 – 椋忠治郎

雨の夕暮れは 心さみしくて街の赤い灯(ひ)が 胸にしのびくるよずっと昔に 若さのせいで失くした恋が 水割りに浮かぶよ思い出のカウンター すすき野五番街何も言わな

口笛の少年 – 椋忠治郎

口笛は幼き頃の 我が心の 心の友よ故郷を遠く離れて 若き青春(ゆめ)を手繰(たぐ)れば熱き想いを 胸に抱いて茜雲 追いかける旅人いま人生という名の 明日が 少し

男のつぶやき – 椋忠治郎

道草しながら 歩けばいいさそれでいいのさ 無理などしないで人生まだ秋半ば ひとり振り向けば不器用すぎてた 生き方だったけど恥じることはない 寂しくはないそんな男

あぁ地平線~君の待つ街へ~ – 椋忠治郎

追って来たけど 男の夢を辿り着くには あまりに遠い…北原野旅の仕度に 手を貸してあの日涙を こらえていたねごめんよ 苦労を ねぎらうような笑顔ひとつが 瞼(め)

津和野城恋歌 – 椋忠治郎

雲海(うんかい)に浮かぶ 山城(やまじろ)街道沿いで 君は指を差す辿れば遠く 青春は木漏れ日揺れる さんぽ路けれど…君はもういない晩秋 冬枯れ そして春戦国の歴

新宿ラプソディー – 椋忠治郎

めぐり逢いから 愛ははじまる思い出横丁 二人で呑んだ七色ネオン ときめく心束の間過ぎる 時を惜しんで語り明かして いたい夜新宿は 新宿は 夢の街恋の街新宿は 新

忘れかけてた子守唄 – 椋忠治郎

どこか似てきた おふくろにそんな気がする この頃は元気でいれば いくつかと鏡の俺に 聞いてみるおふくろ おふくろ 今もまだ背中(せな)の温もり 恋しいよ 恋しい

花ぼうろ – 椋忠治郎

霧氷よ おまえのまたの名は花は花でも 花ぼうろ恋の亡きがら 引き裂いて空に投げれば 雪になりますか花ぼうろ 花ぼうろひとり北国 あなた忘れ旅あしたのいらない 私

漁火しぐれ – 椋忠治郎

お湯が六分で 焼酎が四分つまみは雑魚天 薩摩揚げ静かなお酒で いい人だった切れたきずなの 古傷が痛みます 疼きます漁火しぐれ海の匂いが しぐれに溶けてわたしの心

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