森繁久弥
水師営の会見 – 森繁久弥
旅順開城約成りて
適の将軍ステッセル
乃木大将と会見の
所はいずこ 水師営
庭に一本棗の木
弾丸あともいちじるしく
くずれ残れる民屋に
今ぞ相見る ニ将軍
昨日の敵は今日の友
語ることばもうちとけて
我はたたえつ かの防備
かれはたたえつ 我が武勇
旅順開城約成りて
適の将軍ステッセル
乃木大将と会見の
所はいずこ 水師営
庭に一本棗の木
弾丸あともいちじるしく
くずれ残れる民屋に
今ぞ相見る ニ将軍
昨日の敵は今日の友
語ることばもうちとけて
我はたたえつ かの防備
かれはたたえつ 我が武勇
煙も見えず 雲もなく風もおこらず 浪立たず鏡の如き 黄海は曇り染めたり 時の間に空に知られぬ 雷か浪にきらめく 雷光か煙は空を 立ちこめて天つ日影も 色暗し戦い
四百余州を拳る 十万余騎の敵国難ここに見る 弘安四年夏の頃なんぞ怖れん われに鎌倉男子あり正義式断の名 一喝して世に示す多々良浜辺の戌夷 そは何蒙古勢傲慢無礼も