桜井くみ子

ぬくもり酒 – 桜井くみ子

胸の痛みを 消すために
飲んだお酒の はずなのに
飲めば飲むほど あの人の
腕に抱かれた ぬくもりが
忘れられない 忘れられない
思い出酒場

別れ涙の せいかしら
路地の灯りも うるんでる
泣けば泣くほど あの人の
言葉やさしい ぬくもりを
酒といっしょに 酒といっしょに
飲みほす私

あんな男と 恨んでも
惚れた私が 悪いのね
酔えば酔うほど あの人と
飲んだお酒の ぬくもりが
炎(も)えてせつない 炎えてせつない
裏町酒場

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途中下車 – 桜井くみ子

旅の途中で 下りた駅小橋が雨に 濡れているここが あなたの故郷(ふるさと)ね春の嵐が 花びら散らすだめね 忘れたつもりでいても抱いて抱かれた あの日が恋しいもし

長崎街道 – 桜井くみ子

行くか戻るか 小倉で思案娘桃割れ 花かんざしもゆれて未練を 切ってゆく泣かないわあたしには あなただけ山家(やまえ) 轟木(とどろき)神埼(かんざき) 佐賀へ恋

薄化粧 – 桜井くみ子

木の葉の影が 夕暮れの窓にゆれてる 山の宿私の心も ゆれている濡れた黒髪 湯上り姿鏡の前で 紅をさすあなたの好きな 薄化粧ふたりの恋の 行く先は辛い別れの 駅で

別れの港 – 桜井くみ子

涙でにじんだ あなたの連絡船(ふね)がけむる小雨の 波間に消えるさよならと さよならと声を殺して つぶやく胸に風が痛いの 冷たいのあとを追いたい 別れの港岬のホ

王将 – 桜井くみ子

吹けば飛ぶよな 将棋の駒に賭けた命を 笑わば笑えうまれ浪花の 八百八橋月も知ってる おいらの意気地あの手この手の 思案を胸にやぶれ長屋で 今年も暮れた愚痴も云わ

みちのく挽歌 – 桜井くみ子

吹雪まじりに 汽笛が鳴いてふっとあんたの 面影がくもりガラスの 窓に映って長い冬です 寒い肌ハアー 夢でも 逢いたいよハアー 夢でも 抱いとくれ恋しさつのって 

夢見坂 – 桜井くみ子

肩に冷たく 吹く風が結ぶ絆を 強くする心に望みが あるかぎり出直しできます 何度でも曲りくねった 夢見坂歩いて行きます あなたと二人そっとこの手を 握りしめ無理

あなたに咲く花 – 桜井くみ子

風が吹いたら 飛ばされそうなそんな命も 命は命ばかな ばかなばかな女と 笑われようと…あなたに咲きたい 夢ひとすじに明日は涙で 散らされようといいのわたしは 慣

海峡かもめ – 桜井くみ子

凍えるような 指先をそっと吐息で 温める群れをはぐれた かもめが一羽渚の砂で 淋しそうあなたに逢いに はるばるとひとりで来ました 海峡越えてあなたに二度と 逢う

ちょっと待って下さい – 桜井くみ子

チョット マッテ クダサイPlease Excuse meWhile I crySeems SAYONARA means “Good-Bye”But,no on

しあわせ招き酒 – 桜井くみ子

運のいい日も わるい日も生きてなんぼの 人生だもの何をくよくよ ねぇ あんたたまにゃふたりで つぶれましょうかおいでおいでよ この手にとまれしあわせ しあわせ招

海宿 – 桜井くみ子

如月(きさらぎ)の旅路は 骨まで寒いそれより心は まだ寒く二階の窓から いか釣り船をながめる瞳が 凍ります後ろ指から 逃げてきたわたしは生気地(いくじ) なしで

私とお月さん – 桜井くみ子

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嫁入り舟 – 桜井くみ子

むかし母さん この町に嫁入り舟で 嫁いで来たとあれから何年 たちますか たちますか紫あやめの 水郷を今日は私の 嫁入り舟が涙隠して ギッチラと行くもしも父さん 

哀愁流転 – 桜井くみ子

弱い女は 流される世間の川の 冷たさよどこにあるのよ どこにあるのよ 私の幸せは肩でため息 寂しさに心震える 裏通り肩に寄り添い ふたりして夜更けに聴いた 雨の

あばれ船 – 桜井くみ子

来るなら来い 変わる時代の荒くれ波濤よ俺の出番がやって来た 負けてたまるかよ風が叫ぶ 海が吠える 海鳥が声嗄らす あばれ船おふくろ似だ かわいいあの娘の写真を胸

人生川 – 桜井くみ子

やればやれるわ やる気になれば生きてなんぼの 命じゃないの後へはひくな 人生川よ天が見ている あんたの涙泥をつかんで 投げたいようなそんな日もある 人間だものふ

風に咲け – 桜井くみ子

渡り鳥さえ 千里の空で生きていりゃこそ また逢える負けないよって 思うたびこころに故郷の 母の顔ヤーレヤーレ ヤンレサァヨーいのち我慢の 風に咲けつらい時ほど 

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夢あかり – 桜井くみ子

蛇の目傘から こぼれる雨が肩につめたい 裏通りそっと私の 背中をつつむ好きなあなたの ぬくもりが女ごころに ほろりと沁みて明日が見えそな 港は夢あかり北の桟橋 

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