松坂慶子

  • 雨の舗道で – 松坂慶子

    雨の街を 傘もささず濡れて歩く あなたとふたりこんなふうに 肩をならべ歩くことも もうないでしょうああ 今夜かぎりのふたりなら黙っていてほしい 今はHand by hand with you Side by side in the rainWhispering good-bye Rambling in the rain 雨の舗道 涙ながし濡れて歩く わたしはひとりあしたからは なにを信じだれをあて…

  • 島原地方の子守唄 – 松坂慶子

    日本恋しや 日本恋しやかりそめにたちいでてまたとかえらぬ故郷とおもえば心も心ならず涙にむせび眼もくれ夢うつつともさらにわきまず候えどもあまりにことに茶包み一つ信じまいらせ候あら 日本恋しや 日本恋しや 日本恋しやこしょうろう うばさま参る おどみゃ島原の おどみゃ島原のなしの木育ちよなんのなしやら なんのなしやら色気なしだよ しょうかいなはよ寝ろ泣かんで おろろんばいごんの池の久助どんの つれんこ…

  • 淋しい電話 – 松坂慶子

    真夜中に まわすダイヤル名も知らぬ 誰かのところへ誰れでも いいから私と話して下さい どうぞ昨日の出来事 そして野球の話冗談まじりの恋の話何でもいいの 誰でもいいのお願い電話は切らないで 切らないで 身の上話はしないわ傷ついた昔の話も随分勝手な電話と驚いているでしょう ごめんね名前も知らない 男と女だから過去も知らない そんな二人少しでいいわ 何でもいいわお願い私に囁いて 囁いて 幼なじみの恵子の…

  • 恋のメモリー – 松坂慶子

    夜明けの光が 窓にさすころあなたは この部屋を そっと出てゆく別れの涙を 見られたくないからねむったふりをして 指を噛んでる愛するだけでは 生きて行けないだけど愛のない 暮しは いやよ 別れたあとから 思い出すのはふたりで 旅をした 北のあの街小さなホテルの 窓に風が吹くあなたはめずらしく すこし酔ってた思い出だけでは 生きて行けないだけど夢のない 暮しは いやよ思い出だけでは 生きて行けないだけ…

  • スウィート・ジェニー・リー – 松坂慶子

    スウィート・ジェニー・リー可愛い娘よ 南の娘よスウィート・ジェニー・リーあの娘がいとしいとて鳥も唄う スウィート・ジェニー・リー うるわしきみすがたきよらかなほほ笑み一言愛のことばネェ 聞かせてちょうだいよスウィート・ジェニー・リー Sweet Jennie Lee from sunny, sunnyTennesseeYou’ll love her when you seeSweet …

  • 霧に走る – 松坂慶子

    次のシグナル 右に折れたらあの暗い窓が 私の部屋寄っていってと もう何度も心の中では 話しかけてる けれど車は 走りつづけるあなたは ラジオに気をとられるせめて ブルーに変わらないでと願う シグナルはなんて意地悪 ああ外はなんて深い霧 車の中にまでいっそ こんな車こわれてしまえばいいのに とりとめもない 冗談にならあなたはいつでも うなずくのにやっと言葉を 愛にかえればあなたの心は 急に霧もよう …

  • 夜明けのタンゴ – 松坂慶子

    だから いま いま いま 愛してる いまだけの恋なら いますぐに燃やしていまだけの人生 踊ってタンゴ夜が明けたら 恋は死ぬのよ何も言わずに アディオス アモール明日なんかは 知らないわいまだけの恋なら いますぐに燃やしていまだけの人生 踊ってタンゴだから いま いま いま 愛してる いまだけの夢なら いますぐに酔わせていまだけの命を 歌ってタンゴ夜が明けたら 夢は死ぬのよ何もいわずに アディオス …

  • やさしさの季節 – 松坂慶子

    春を待つ人は 花を恋うる人頬(ほほ)をやさしく 撫でてゆく青春の 想(おも)い出(で)いつまでも いつまでも 香り立つから 夏を待つ人は 海を恋うる人白い雲わく 夏の空遠い日の 初恋みずいろに 空いろに とけてゆくから 秋を待つ人は 風を恋うる人肩に枯れ葉が 触れるたびあの人の ほほえみなつかしく なつかしく 思い出すから 冬を待つ人は 雪を恋うる人汚(けが)れ知らない 白い雪傷ついた こころのさ…

  • 愛の水中花 – 松坂慶子

    これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛 だって淋しいものよ 泣けないなんてそっと涙でほほを 濡らしてみたいわひとりぼっちの部屋の ベッドの上でちょっとブルーな恋の 夢を見ている乾いたこの花に 水をあたえてください金色のレモンひとつ胸にしぼってくださいわたしは愛の水中花これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛 だって悲しいものよ 酔えないなんてそっとあなたの胸に あまえてみたいのそうよ人生なんて ドラ…

  • 織江の唄 – 松坂慶子

    遠賀川 土手の向こうにボタ山の三つ並んで見えとらす信ちゃん 信介しゃんうちはあんたに逢いとうてカラス峠ば 越えて来た そやけん逢うてくれんね 信介しゃんすぐに田川に 帰るけん織江も大人に なりました 月見草 いいえそげんな花じゃなかあれはセイタカアワダチ草信ちゃん 信介しゃんうちは一人になりました明日は 小倉の夜の蝶 そやけん抱いてくれんね 信介しゃんどうせ汚れて しまうけん織江も大人に なりまし…

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