松前ひろ子

  • 待雪草 – 松前ひろ子

    つらいときほど 笑ってみせる黙ってそばに いてくれる惚れた惚れたよ その笑顔待雪草の 花に似たおまえと おまえと生きて行く ろくでなしだと 悔やんでないかしあわせやれぬ この俺を不甲斐ないぜと また呑めば朝まで寝ずに 待っているおまえに おまえに詫びている 何もいらない 夫婦(めおと)だものとはにかむ頬(ほほ)の いじらしさ遠い雪解け 夢に見る待雪草の 花のよにふたりで ふたりで生きて行く 人気の…

  • 夫婦絶唱 – 松前ひろ子

    俺がお前に 会った時ころし文句を 云ったかい云ったおぼえは ないけれど聞いたふりして ついて来たありがとう ありがとう お前俺は離さない 今度生まれて きた時もやはりあなたの そばがいいもしも会えなきゃ どうしよう子供みたいな 目ですがるありがとう ありがとう お前俺は離さない ひとりだったら 細い道ふたり合わせりゃ 強くなるいつか咲かそう つらくともそれが夫婦の 愛の花ありがとう ありがとう お…

  • 風雪ながれ旅 – 松前ひろ子

    破れ単衣(ひとえ)に 三味線だけばよされよされと 雪が降る泣きの十六 短(みじか)い指に息を吹きかけ 越えてきたアイヤー アイヤー津軽(つがる) 八戸(はちのへ) 大湊(おおみなと) 三味が折れたら 両手を叩けバチが無ければ 櫛でひけ音の出るもの 何でも好きでかもめ啼く声 ききながらアイヤー アイヤー小樽(おたる) 函館(はこだて) 苫小牧(とまこまい) 鍋のコゲ飯 袂で隠し抜けてきたのか 親の目…

  • 帰港節 – 松前ひろ子

    闘い終えた 男らが暗い波間を いま帰るめためたに 疲れても笑顔が こぼれるぜご苦労さんねと 迎えてくれるおふくろ港の 灯を見れば 漁場(りょうば)が 海の修羅場なら陸(おか)はいこいの 恋ねぐら待たせたぜ 元気かい想いが ほとばしる合羽を着たまま ごろねを決めた激しい季節 もうすぐ終わる 気まぐれ海が 相手なら稼ぎ少ない 年もある慰めて くれるだろうあの娘が 生き甲斐さ岬をまわれば やさしい胸だ花…

  • 女に生まれて – 松前ひろ子

    女に生まれて 女で生きてやっと掴んだ 倖せよ世間は噂を するけれど離したくない この恋を貴方(あなた) 貴方ひとりを 信じて生きる 化粧をしてない おんなの素顔好きと云ったわ 抱きしめた取り柄は何(なん)にも ないけれど尽くしたいのよ 真実(まごころ)で貴方 貴方以外は 見えない私 あなたの苗字(みょうじ)に わたしの名前酒のしずくで 書いてみるふたりでおんなじ 夢を見て同じ夜明けを 迎えたい貴方…

  • 相合い傘 – 松前ひろ子

    雨の降る日は 一つの傘でそっと寄り添い かばい合い明日(あす)を信じて ひたむきに一緒に歩いた 道のりはどろんこ ぬかるみ 水たまり相合い傘の 相合い傘の 夫婦(めおと)道 惚れていました あなたが命こんな縁(えにし)に ありがとう固く誓った あの言葉いつも真心 抱きしめてどろんこ ぬかるみ 水たまり相合い傘の 相合い傘の 運命(さだめ)道 辛(つら)い時には 笑顔に変えて呼んでみたのよ 幸せをい…

  • 女のなみだ川 – 松前ひろ子

    愛する誰かに 出逢えたならばこの世に生まれた 甲斐がある母の言葉が 今さらに沁みてあなたに 尽くして生きるつらい時にも 笑顔で隠し女の心に流れゆく なみだ川 あなたがどこかで 道草しても信じて待ちます ひとすじにお酒なんかに 逃げないでどんなことでも 話してほしい泣いて幸せ 離れぬように女の心に流れゆく なみだ川 あなたの苦労を 私に分けて背中を押します 支えます夢が遠くに あるならば九十九(つづ…

  • 留萌 人情 みなと町 – 松前ひろ子

    吹雪 地吹雪 波の花鉛色した 北国(きたぐに)みなと揺れて手招く 提灯灯(ちょうちんあか)りこころ温(ぬく)める 熱燗(かん)の酒差しつ差されつ はじける笑顔留萌 人情 みなと町 波にひとすじ 光る道夕陽輝く 黄金岬(おうごんみさき)響く掛け声 ヤン衆が跳ねる呑涛(どんとう)なごりの 夏の宵海の恵みに ハートも弾む留萌 人情 みなと町 白い気嵐(けあらし) 過ぎるころオロロンラインに 春風そよぐ幼…

  • 望郷酒がたり – 松前ひろ子

    雨が降る夜は こころも湿(しめ)るましてひとりで 酒飲む夜(よる)はどんぶらこ どんぶらこ 酒とどんぶらこ故郷(こきょう)はなれて 都会の海に夢を浮かべて 酒とどんぶらこ ハァ~ ヤーレンソーラン ソーランソーラン ソーラン… やがて港に 雪降る頃よ届く小包 田舎の匂いどんぶらこ どんぶらこ 酒とどんぶらこ詫びるこころに 海風野風親の情(なさけ)に 涙ひとしずく ハァ~ どんぶらこ どんぶらこ 酒…

  • 春隣り – 松前ひろ子

    冬の陽(ひ)ざしが あたたかいせまい部屋でも ふたりならひとめ惚れだよなァ、おまえ言えばほんのり 紅(べに)をさす笑顔… 笑顔ひとつの いい女 どこか似ている 身の上がおれとおまえを 引きよせた縁は異なものなァ、おまえ雨の降る日も 風の日もこの手… この手はなすな そばにいろ 他人どうしが 好き合うてかわす盃 鶴が舞う惚れて一生なァ、おまえ酒は温燗(ぬるかん) 人肌にいつか… いつかうたた寝 膝ま…

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