松下優也

  • 僕が死のうと思ったのは – 松下優也

    僕が死のうと思ったのは ウミネコが桟橋で鳴いたから波の随意に浮かんで消える 過去も啄ばんで飛んでいけ僕が死のうと思ったのは 誕生日に杏の花が咲いたからその木漏れ日でうたた寝したら 虫の死骸と土になれるかな 薄荷飴 漁港の灯台 錆びたアーチ橋 捨てた自転車木造の駅のストーブの前で どこにも旅立てない心今日はまるで昨日みたいだ 明日を変えるなら今日を変えなきゃ分かってる 分かってる けれど 僕が死のう…

  • 行かないで – 松下優也

    なにもみえない なにもずっと泣いてただけど悲しいんじゃないあたたかいあなたにふれたのがうれしくて行かないで 行かないでいつまでもずっとはなさないでA行かないで 行かないでこのままで いつか心は いつか遠いどこかでみんな想い出になると知らなくていいのに知らなくていいのに行かないで 行かないでどんなときでもはなさないで行かないで 行かないでこのままで 行かないで 行かないでいつまでもずっとはなさないで…

  • ファイト! – 松下優也

    あたし中卒やからね 仕事をもらわれへんのやと書いた女の子の手紙の文字は とがりながらふるえているガキのくせにと頬を打たれ 少年たちの眼が年をとる悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる 私、本当は目撃したんです 昨日電車の駅、階段でころがり落ちた子供と つきとばした女のうす笑い私、驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかったただ恐くて逃げました 私の敵は 私です ファイト! 闘う君の唄を闘…

  • 伝わりますか – 松下優也

    淡い紅を かるくのせて想い出追えば 娘にかえる 恋を知れば 夜が長く街ち人の名を つぶやいた頃 一人のために女は時を旅して綺麗になる あなたの腕のつよさは消えない ぬくもり 今もたどれるものなら もう一度 もう一度全てを無くす愛なら あなたしかない 愛するくらい 愛されたいと願う心が 重荷でしたね 恋の色は夕暮れの空うす紅にはかなく落ちた 伝わりますか 今夜は悪い女に なっています あなたの守る幸…

  • 最後の雨 – 松下優也

    さよなら呟く君が僕の傘 残して 駆けだしてゆく哀しみ降り出す街中が 銀色に煙って君だけ 消せない最後の雨に 濡れないように追い掛けて ただ抱き寄せ 瞳 閉じた 本気で忘れるくらいなら泣けるほど愛したりしない誰かに 盗られるくらいなら強く抱いて 君を壊したい ほどいた髪を広げて僕の夜 包んだ優しい人さ…不安な波にさらわれる 砂の城 怖くて誰かを求めたの?強がりだけを 覚えさせたね微笑みは もう 二人…

  • スローなブギにしてくれ(I want you) – 松下優也

    Want you 俺の肩を抱きしめてくれ生き急いだ男の夢を憐れんで Want you 焦らずに知り合いたいねマッチひとつ摺って顔を見せてくれ 人生はゲーム誰れも自分を愛しているだけの悲しいゲームさ Want you 弱いとこを見せちまったね強いジンのせいさおまえが欲しい 人生はゲーム互いの傷を慰め合えれば答えはいらない Want you I want you 俺の肩を抱きしめてくれ理由なんかないさ…

  • 傘がない – 松下優也

    都会では自殺する若者が増えている今朝来た新聞の片隅に書いていただけども問題は今日の雨 傘がない 行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ つめたい雨が今日は心に浸みる君の事以外は考えられなくなるそれは いい事だろう? テレビでは我が国の将来の問題を誰かが深刻な顔をしてしゃべってるだけども問題は今日の雨 傘がない 行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ君の家に行かなくちゃ 雨…

  • 生きてることが辛いなら – 松下優也

    生きてることが辛いならいっそ小さく死ねばいい恋人と親は悲しむが三日と経てば元通り気が付きゃみんな年取って同じとこに行くのだから 生きてることが辛いならわめき散らして泣けばいいその内夜は明けちゃって疲れて眠りに就くだろう夜に泣くのは赤ん坊だけって決まりはないんだし 生きてることが辛いなら悲しみをとくと見るがいい悲しみはいつか一片のお花みたいに咲くというそっと伸ばした両の手で摘み取るんじゃなく守るとい…

  • 僕が僕であるために – 松下優也

    心すれちがう悲しい生き様にため息もらしていただけど この目に映る この街で僕はずっと生きてゆかなければ人を傷つける事に目を伏せるけど優しさを口にすれば人は皆傷ついてゆく 僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない正しいものは何なのか それがこの胸に解るまで僕は街にのまれて 少し心許しながらこの冷たい街の風に歌い続けてる 別れ際にもう一度君に確かめておきたいよこんなに愛していた誰がいけないとゆう訳でも…

  • ノンフィクション – 松下優也

    描いた夢は叶わないことの方が多い優れた人を羨んでは自分が嫌になる 浅い眠りに押しつぶされそうな夜もある優しい隣人が陰で牙を剥いていたり 惰性で見てたテレビ消すみたいに生きることを時々やめたくなる 人生は苦痛ですか? 成功が全てですか?僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけみすぼらしくていいから 欲まみれでもいいから僕はあなたの あなたの 本当を知りたいから響き消える笑い声 一人歩く曇り道僕はあ…

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