杉田淳

加賀慕情 – 杉田淳

見果てぬ夢に 誘われて
一人さすらう 金沢に
あきらめ切れぬ 心の痛み
男ごころの 哀しさよ
会ってみたとて 人の妻
逢えば未練が あゝ増すものを

過ぎ行く季節(とき)の 影写し
流れ犀(さい)川 別れ川
紅(くれない) 染める 友禅流し
恋の名残の 城下町
君をしのべば 黒髪の
後ろ姿の あゝなつかしさ

思い出残る 格子戸に
浮かぶ面影 加賀の宿
忘れぬ恋の 友禅模様
君が白さに 映える帯
湯の香漂う 山代に
恋うる想いの あゝ夜は更ける

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湯煙りの宿 – 杉田淳

山の小さな いで湯の宿にすてに来ました 想い出を知っているのか せせらぎも泣いてくれるな 瀬音を立てて泣けば想いが またつのる湯煙りの宿いで湯の宿の 夜空を見れ

再び恋物語 – 杉田淳

別れて二人 一年ぶりに偶然出会った 小さな酒場肩まで伸ばした 髪さえも変わらぬおまえの 懐かしさ他人行儀も いつしか消えて再び始まる 恋の物語些細(ささい)な事

ひとり 放浪 – 杉田淳

最果て駅に 降り立てば胸に寂しい 波の音故郷(こきょう)離れて 幾月日なぜにさすらう どこへ行く聞けど答えぬ 聞けど答えぬ 日本海来た道ひとり 振り向けば忘れら

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