杉田二郎

  • 八ケ岳 – 杉田二郎

    花かざりが似合うよ若い母親だね手をのばせば 八ヶ岳 空が高いね子供連れの旅では ふさわしくないけどひとつ部屋で 5年目のおそいハネムーン 君は野菊を髪にさして笑ってる手をふってこたえれば君は はにかんで少女のよう ぶつかるように抱きあった はじめての夏あの日から 2人で歩いて来たんだね いつの間にか 季節は変っていたねいそがしいと言いながら 君を忘れていたね 気がつけば 高原は夕べの風さむそうな細…

  • あの歌を覚えているか – 杉田二郎

    三十歳(さんじゅう)前に けじめをつけて大人になると 叫んでいたねそれから倍も 俺たち生きてきてまだ青臭く 笑ってしまう今度の夏に 墓参り兼ねおまえの顔を 見に行くつもり女房置いて 飲み明かすから躰整え 覚悟しておけ あの歌を 覚えているか安酒と情熱と 若い涙がしみた歌もう一度 声張り上げてまだ人生 捨ててはいないと 勤めは週に 三日となって寂しくもあり ほっともしている娘が嫁ぎ 空き部屋ができ一…

  • 前向きに倒れてみたい – 杉田二郎

    朝目ざめれば 足から腰に痛みが走りぬけて新聞読めば何もかもがかすんでよく見えないね変わらないのは気持ちだ あの日のままで年は重ねたけれど 熱く熱く燃える 生き続けていこうよ胸はり顔あげてふらつき息が切れても前向きに倒れてみたい 傷つき疲れ 休みたいので遠くへ逃げ出したいだけど時間は 消えてゆくよ最後の日が来るまでそれでも未来は美しい あの日のままで振り向いてみたなら 地獄が口をあける 生き続けてい…

  • もっともっと – 杉田二郎

    いつでも女の綺麗な季節は男の人の為にあると行き場を失した迷い子の愛が胸の奥で泣いている 男はいつもないものねだり女はいつも泣かされるだけせめてもっともっと愛でもっと満たして欲しいもっともっと愛でもっと私を包んで なりふりかまわず好きになるなんてこれきりあなたで最後だと鏡を見る度つぶやいていたの ふたり暮したあの頃涙は おもいでのうらがえし一日毎(いちにちごと)に色あせてゆくせめてもっともっと愛をも…

  • 五番街のマリーへ – 杉田二郎

    五番街へ行ったならばマリーの家へ行きどんなくらししているのか 見て来てほしい五番街は古い街で昔からの人がきっと住んでいると思う たずねてほしいマリーという娘と遠い昔にくらし悲しい思いをさせたそれだけが 気がかり五番街で うわさをきいてもしも嫁に行って今がとてもしあわせなら 寄らずにほしい 五番街へ行ったならばマリーの家へ行きどんなくらししているのか 見て来てほしい五番街で 住んだ頃は長い髪をしてた…

  • サマーソング for you – 杉田二郎

    (サマーソング for youサマーソング for you)君におくるよ愛のメロディ 失くしたはずの 二人の夏はいまでも 南の風のなかに水着のあとを水着でかくしまぶしい青春を泳いでいたもう遠い君のあの黒い髪は切らないでときめいて いるのかWOO WOOサマ−ソング for you夏の恋人は どんなに遠くはなれていてもサマ−ソング for you同じ海見てる君におくるよ 愛のメロディ 浜辺で聴いた別…

  • 再会 – 杉田二郎

    久しぶりね お幸せですか元気そうな 顔色をしてるあの人ね この私からあなたのこと 奪った人は 仲のよい あなたたち二人見ていると やけちゃうなやはり嬉しいけど 笑えないものね思いがけない 再会 あなたたちの 新しい恋のために 乾杯この私は あの日以来ずっと一人一度だって 男の手に抱かれてなど いないわ可哀そうと 思うのなら お電話 下さい あの人の 得意げな素振り笑い声が この胸に刺さる退げ出した…

  • ANAK(息子) – 杉田二郎

    お前が生まれた時 父さん母さんたちはどんなによろこんだ事だろう私たちだけを 頼りにしている寝顔のいじらしさ ひと晩中 母さんはミルクをあたためたものさ昼間は父さんが あきもせずあやしてた お前は大きくなり 自由がほしいと言う私達はとまどうばかり日に日に気むずかしく 変わってゆくお前は話を聞いてもくれない 親の心配見むきもせず お前は出てゆくあの時のお前を止めることは 誰にも出来なかった 息子よ お…

  • ジーンズとハーモニカ – 杉田二郎

    山の街に別れを告げて 海の見える街へと俺達の唄のせた列車は 丘の上を急ぐ時の流れにくぼんだシート 腰をおろせば数え切れない幸せと 悲しみが聞こえる もうじっとしてはいられない旅のせいではないだろう新しい唄が生まれたのさ早く早く君に伝えたい はき馴れたジーンズから ハーモニカとり出せば愛する人に出会った あの日が昨日のよう時代の夜明け信じてた あの頃がざわめく何も言わない風さえも 窓ガラスを叩く も…

  • 夏まぼろしの – 杉田二郎

    蜩の空に 夕焼け雲が流れ畦道を行けば 灯る祭りの明かり湯上がりの髪が 風の匂いを変えたふりかえる影は こぼれた花のように 夏まぼろしの 時の迷い子遠いあの日に いまも手を引かれ なにも応えない 月にひとりひとりぼんやりと あなたを思えばこの心は まだ残り火いつまでも いつまでも せんこう花火が 星のかけらを弾くつたない手紙は 渡しそびれたままに 夏まぼろしの 時の写し絵遠いあの日は いまも鮮やかで…

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