背中に翼のないぼくらは – 木戸やすひろ

いくつシャツを着替え　髪を何度も切り爪をすり減らしここまで来たんだ花が咲き乱れて　何も聞こえない名前のない国には夏草が香る青い青の空の真下で胸を張って陽溜まりに

まだ体温が　いまよりもずっと高くて安いギターも　ぼくらの微熱を真似してたどんな未来を　あの日みていた？無邪気に追いかけたのは追いつけない夢の背中100の季節を越

気づけば知らない丘の上に立ち尽くす来た道も行方も夜に埋もれている流れ星　探すほど子供じゃない　願いすべて祈るだけで叶うはずもなくて綺麗なペンキで壁に描いた明日は

行く手に黒い雲　ハイウェイにゲリラ豪雨僕達はずぶ濡れ　屋根が壊れて閉まらないんだ君の乱れた髪　素肌まで透けるシャツに鼓動が暴れてる　稲妻走るその真下でOh,oh

僕のそばで君は笑ってる何も言わず　ただ見つめるだけで僕の心に広がる青空は君がくれた　深い愛のしるし風をきってはしゃいだ春の日今　消えそうなぬくもりにかけがえのな

おめでとう　桜は春じゃなくても咲いて旅立つ誰かの勇気　いつもいつも見守っている東の風が天使の羽根みたいにぼくらの頬をそっと撫でて通り過ぎるさよならじゃなくピリオ

路地裏で英字の新聞紙に包まれたビスケット　一度に頬ばりふたり　見えないはずなのに未来　見通してるそんな気がしていたあの頃君はまだピアスをしてなかったコーヒーに角

何気ない朝のコーヒーの香りに誘われ目覚めた午前10時若すぎた頃に見えなかったものがはっきり見えるよ今は平凡に love me　素顔のまま hold meそっと抱

つまらない小説を読んで　損したときみが拗ねてたOh,no　機嫌を直すケーキも品切れでなにもできぬまま俯いた欲望をふりかざすことが　自由だと信じてた夏Oh,no　

髪に飾った花が潮騒に踊ってた砂まじりのきみの口笛　聴いていた桜色のペディキュア　濡れたスカートの裾時を止める魔法を覚えた　そんな気がしたJulia　きみに出逢う

曖昧な地図を手に歩き続けた大きな目印さえ見落としながら星もない真夜中に手探りをした幼い子供のよう　泣きながら眠った荷物なんて空っぽで失くしてもいい物だけ君にめぐ

April　青い日差しの中で素顔のままの君が　バスを持ってるApril　古い小さなトランク僕のイニシャルの文字　抱えているよ2人が暮らしたこの街3度目の夏が来る