木之内みどり

氷イチゴの頃 – 木之内みどり

氷と書いた白いのれんが
今年も夏を知らせます
あなたと食べた氷イチゴは
今日も涙の味します

カンカン照りの街の公園
あなたと木陰捜したわ
せみが泣き止む木によりかかり
初めてキスをしましたね

ひと夏で燃えつきた
青春はうすばかげろう
羽のような悲しみ残し
愛はどこに消えたのでしょう

あなたの部屋で夜遅くまで
野球ナイター見ましたね
泊まって行けと投げた言葉に
プイと横向きホラ三振!

あなたがくれたカセットテープ
声で綴ったラブレター
聞き終ったらスパイ映画の
ように消えてた恋でした

ひと夏で燃えつきた
青春はうすばかげろう
羽のような悲しみ残し
愛はどこに消えたのでしょう
愛はどこに消えたのでしょう

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