木下結子

  • おはじき – 木下結子

    カラスが群れて とんでゆく都会の居心地 よさそうね一番星が ピッカリコ孤独と今夜も にらめっこ 待ち焦がれて 待ちわびてはじきとばされた 私おはじき逢いたくて いますぐに 逢いたくて私 うるさいだけですか 黄色い月が 雲がくれ黄色い涙を ながしてるやさしいウソは 罪がない心のへこみを ふくらます 恋焦がれて 抱きしめてはじきとばされた 私おはじきさみしくて それだけで このからだ抱いてしまった だ…

  • チャオプラヤ川 – 木下結子

    子供らの 明るい声がする岸辺で 水浴びに 興じる日に焼けた 肌がまぶしい この地球(ほし)に 生きてる70億みんなに ひとかけのしあわせゆきわたるように 祈るの乾いた 土地で泣いてる 人がいる母さんを さがして泣いてる 人がいる血まみれの 顔で泣いてる 人がいる あぁ 神さま 見えますかあぁ あなたは どこですかわたしに できること教えて ください あぁ 愚かな 私達あぁ 許して くれますかいのち…

  • 半夏生 – 木下結子

    苦労を総身に かかえても弱音のひとつも こぼさない荷車ひいてる 母の背をみながら 育ってきたのですこのひとならばと 決めたなら心配ないよと 泣き笑い三千世界で ただひとり縁(ゆかり)があるから 結ばれる お味噌の仕込み 梅干しづくり慣れて 覚えて ゆずられました蚊取線香に 火をつけますか田植えも終りの 半夏生(はんげしょう)男の度量を 信じなさい最後のきめては 愛なのよ薄桃色した たち葵(あおい)…

  • マリーゴールドの恋 – 木下結子

    あなたのいない人生なんか… いらない 木の葉が 木の葉が散るあなたが あなたが立ち去るマリーゴールド 聖母マリアの花庭のゆり椅子 紅茶の香り女の武器は 涙じゃないけど好きよ好き すべてが好きよああ ひざまずき 祈る私 つめたい つめたい雨背中を 背中を目で追うマリーゴールド 聖母マリアの花うばいたいけど 許されないのあなたの帰り 待ってるお方に嘘よ嘘 そんなの嘘よああ ひざまずき 祈る私 マリーゴ…

  • 放されて 04 – 木下結子

    水に七色 ネオンの花は夢がありそに 浮かれてるけど私はあんたに 放されたままひとり曽根崎 はぐれ鳥 忘れなあかん… 忘れなあかんあんたなしでは よう生きられん忘れなあかん… 忘れなあかん おんなやもん洒落た女で いたいのやけど私はやっぱり 演歌です あいつばかりが 男やないとグラス片手に 気取ってみてもゆうべ大阪 捨てたと聞けば知らず知らずに 目が濡れる 泣いたらあかん… 泣いたらあかん泪ぼろぼろ…

  • とんかつ赤のれん – 木下結子

    おじさんが 揚げておばさんが お待ちどここだけ明るい とんかつ赤のれん 木枯らし 電線 笛を吹く町はチンドン クリスマス母さん ほつれ毛 気にしてた嬉しさ かくせぬ 顔の色その時俺は 九歳(ここのつ)だった女たらしの 酒飲みで家に帰らぬ 親父でもしあわせもどきを 感じてた 駒形通りの 坂の上そこは軒並 下駄工場(こうば)あたりは 漆と 木の匂いわびしさ せつなさ へばりつくその時俺は 九歳だった小…

  • 愛は海 – 木下結子

    頬と頬よせた あたたかさこの髪をなでた 手の広さラ・メール 別れの痛みがはしるのあなたに 捨てられてラ・メール 涙はいちばんちいさな海だというけれど…もがいて 愛に おぼれて 愛に最後の 最後まで あなたといたい だますよな そんなひとじゃない黒い瞳(め)が 澄んでいたじゃないラ・メール ソファーにすわれば あなたのにおいが わきあがるラ・メール 女はゆりかご 母なる海だというけれど…哀しくたって…

  • 盛岡ロマンス – 木下結子

    人は 悲しみの 水たまりとびこえて 生きて ゆくのね涙 手のひらで ぬぐいましょう膝の上 眠れば いいから時は過ぎ ふたたびの 出逢いをこの町 盛岡 結んでくれた癒されて 中津川 水の都はなれない 安らぎの場所 盛岡 岩手山(やま)の頂きが まだ白い城下町 ここが ふるさと石割桜(さくら) 咲く頃に 誓いましょうやさしさを 笑顔に 託してあなたから 贈られた えにしをふたりの 盛岡 育ててゆくの守…

  • 恋あそび・夢あそび – 木下結子

    あなたに 咲いた 花だからあるもの すべて さしだすわ恋する 私 夢中なのやさしい ウソも すてきだわ恋あそび 夢あそび月が落ちても 星がきえてもはなれない ふたりは恋あそび 夢あそびいいの このまま そうよ あしたはなるように なるのよ 世界で 私だけのひとシャンパン 開けて カンパイよ私に あきて しまったらサヨナラ ベイビー それもいい恋あそび 夢あそびダイアモンドの ピアスゆれるのかきたて…

  • ノラ – 木下結子

    やめて 下手な嘘 抱いて 今はただ雨にぬれたノラ 帰りついたあんたいい女なら 割りきってあげるわ誰となく 惚れてないと駄目な 駄目な ひとなの好きよ 好きよ 好き愛はひとり芝居 だって ニつ上 あたし 損な年どうせ明日(あす)もノラ 街で悪戯(わるさ)するの泣きおとしには もう懲りていたのにしおらしい 顔を見ればばかね ばかね からだが好きよ 好きよ 好き愛はひとり芝居 そう 棄てたもの夢なんか …

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