春ねむり

とりこぼされた街から愛をこめて – 春ねむり

永遠まわり続けてる気がした 怠惰な日々もほんとうは少しずつ
使い古してくたびれていった ぼくやこの星のいのちだったの
ピンクのペンキ塗りつぶした
海が鳴いてぼくらのからだの洞窟から響いてた
エコー・エコー 愛されていたんだ

“ぼくはぼくであることから逃れられない
ふたつの目と耳ひとつの鼻と口の平凡な組み合わせを
ぼくは恐れ気もなく人前に曝してきた
それは多分ぼくに隠すべきものがあったから”

とりこぼされた街から愛をこめて

照りつける太陽の翌日には凍えるような空気がやってくる
カレンダーだけが正しくなく季節を刻む小春日和
秋は姿形を失ってぼくらは夏と冬だけを知っている 春には眠っていた

高層ビルと高層ビルの谷間に落ちた街
惑星と惑星の間に落ちた星のかけら それはぼくときみ
ぼくらはなにもかもをわかってしまっている わかってしまっている!

整備された道路や、誰とだって恋ができること。
真四角な教室、とりこぼされたあの子の自殺未遂、
見て見ぬふりをしたぼくもきみも、
ほんとうはだれもかれもが病気だってこと。
どうしようもなくわかってしまっている!

どうしようもなくなにもかもをわかってしまっている
とりこぼしたのはぼくらだってこと
この手の平からこぼれていったこの街のこと
どうしようもなくなにもかもをわかってしまっている!

ぼくはぼくであることから逃れられない
きみも この星も この街も こぼれ落ちたすべての愛が、愛が。愛が!
あふれ出して!
わかってしまってた 見えないふりをした 神さまをいま
拾い集めては春を迎えに目覚めよう

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