新沼謙治

  • おふくろの郵便受け – 新沼謙治

    朝の鳥のさえずり ふるさとも晴れの予報腰が曲がっても 畑に行く おふくろよ野良仕事 終わったら覗(のぞ)く 郵便受けにおまえからの手紙があれば うれしいと言った昨日書いた手紙が 明日(あした)届くから俺の孫の写真を 見てくれ おふくろ 一人暮らし そろそろ 心配で仕方ないよ何度誘っても 行く気はねぇー つっぱねるさびついて ガタが来た赤い 郵便受けにおやじからの便りが夢で 届いたと笑う先に待ってい…

  • もう君はいないのか – 新沼謙治

    日差しを浴びて まどろんでときおり風に 揺れる葉のかすかな音に 目が覚めるいつもと同じ 秋の日が穏やかすぎる あまりにも一緒にコーヒー 飲もうよと振り向けば 音もなく カーテン揺れるそうか もう君は いないのか 好んでつけた エプロンもあれから壁に 掛けたまま昨日と同じ 時間がゆき静かに夜が 忍び寄る記念日だから オシャレしてたまには食事に 出かけよう声かける 君の部屋 明かりも消えてそうか もう…

  • 街角 – 新沼謙治

    もうこれで さようならと唇かんで 言うおまえふるえてる 細い肩先を抱くこともできないと 知らされた雨にけむる 街角傘もささずに ひとごみの中かわす言葉 みつけられずいたずらに 時が過ぎて街の灯が 街の灯が ふたりを濡らす もうこれで 逢えないのかこのまますべて 終るのかこれ以上 何も聞かないでと泣きながら駈けだした 逃げるよに雨にけむる 街角崩れかけてく 想い出の中お前のあと 追いかけても幸せは …

  • ラスト・シーン – 新沼謙治

    ふたりが出逢ったあの頃はこんなサヨナラが来るなんて窓辺のソファーで微笑んでワイングラスなど揺らしては幸せにもたれてた人は何故に 愛し合って人は何故に 別れてゆくの出来るならば 時刻(とき)を戻して愛しあいたい あの日のように これから季節は冬になる寒いこの部屋に君は居ない枯葉の舗道をさまよえば若い恋人が楽しげに眼の前を行(ゆ)きすぎる愛は何故に 傷を残して愛は何故に 淡く消える叶うならば 奇蹟をお…

  • 舞い上がれ 僕の腕の中で – 新沼謙治

    空高く 舞い上がる 鳥たちがはてしない 大空に 消えてゆくいつまでもそばにいて 君だけに伝えたいこの腕を広げて 遠い空のはてまで僕は 飛んでゆくよ 君をのせて 何げなく ほほえんだ 横顔にさりげない やさしさ 感じたよいつまでも離さない 限りなく愛したいのさ空高く舞い上がる 鳥がはばたくよ僕も 飛びたつのさ 夢をのせて 空高く舞い上がる 鳥がはばたくよ僕も 飛び立つのさ 夢をのせて この腕を広げて…

  • 永遠の想い – 新沼謙治

    海 輝いて想い出は まぶしく揺れているあの 懐かしき青春の出逢いと別れ瞳 見つめ合い 肩を寄せあった遠いあの日の 君のぬくもり今も 忘れはしない青き 海原寄せては返す 波の音空 果てしなき君への永遠(とわ)の想い 心 擦れ違う 一瞬(とき)のいたずらに甘く切ない 胸のときめき今も かすかに残る青き 海原寄せては返す 波の音空 果てしなき君への永遠(とわ)の想い君への永遠(とわ)の想い 人気の新着歌…

  • ちぎれたペンダント – 新沼謙治

    ちぎれたペンダント 暗闇に捨てたよ想い出をふりきるには これしかないこれしかない 真赤なジャンパーに 馬鹿野郎と書いたよひび割れたハートの絵の 真中にさ真中にさ もうやせがまんは とてもできない気どっているほど 楽じゃないこの胸をびりびりに引き裂いてあの娘が行く あゝ あの娘が行く あばよといったけど 笑うのは無理だよあの娘のうしろ姿 見えなくなる見えなくなる 夜ふけのハイウエイ 750(ナナハン…

  • 俺は出ていく – 新沼謙治

    おまえの顔を 浮かべながら汽車に飛び乗る 切ない胸をこらえきれずに 煙草をふかしさよなら告げる 窓の外家並み過ぎ行く 街灯りぽつりぽつりと 消えてゆく愛を捨てて 何を探しにおまえにさよなら 告げずああ ああ 俺は出ていく いつか二人 この町に来た人もまばらな 乗換駅よひとりベンチに 腰掛けながらあの日の事を 思い出すいまごろどうして いるんだいきっと泣いて いるだろう愛を捨てて 何を探しにおまえに…

  • 北挽歌 – 新沼謙治

    夜明け近く 電話が鳴り何もいわず 切れた思えばあれが おまえの永遠(とわ)の訣別(わかれ) だったのか風花舞う 湖に誰もいない ボートがひとつ遅すぎた遅すぎた 俺を待つように揺れて 揺れて浮いてた 生きることに 張りつめてた糸がいつか 切れたそんなおまえに 気づかず俺はバカな 男だよ風花舞う 草原を汽車に揺られ 小箱がひとつ遅すぎた遅すぎた俺を泣くように北へ 北へ帰るよ 風花舞う 草原を汽車に揺ら…

  • 祈り詩 – 新沼謙治

    芽吹く命の春があり夏には祭りの華が咲く明るい声がこだまして 人は思いで支え合う ああ 聴こえますか北の大地よあれからどんなに愛しただろう私は今でもふるさととふるさとと共にある 真っ赤に染まる秋があり冬には眩しい雪化粧優しい風吹くふるさとが 強く立てよと教えてくれた ああ 聴こえますか北の海よあれからどんなに愛しただろう私は今でもふるさととふるさとと共にある ああ 聴こえますかふるさとよあれからどん…

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