新井満

何処へ – 新井満

どこへ行くあてもないのだけれど
帰るには あまりに遅すぎる
海に出たまま 港が
見つからない 小舟のように
どこへ どこへ
どこへ どこへ
あの キラキラ輝いていた
少年の日々は どこへ
行ったー

立ち止まってみても 知る人は亡い
振り返ってみても 影も見えない
二人で眺めた 陽が昇るのを
今 一人見る 陽が沈むのを
どこへ どこへ
どこへ どこへ
いつのまにか滅びてしまった
あの日の愛は どこへ
行ったー

思い出そうとして 思い出せない
僕の夢とは 何だったのか
ああ 人生が 耳のそばを
サラサラと 流れ過ぎて行く
どこへ どこへ
どこへ どこへ
うしろ向きに飛ぶ鳥のように
闇の空を どこへ
行くのかー
行くのかー

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あいつが死んだ 前の晩酒を 汲みかわしながらあいつは 俺の眼を じっと見つめしみじみ 話をしたああ 何の為に俺達は 今生きているんだろうネ明日が 今日と変わりが

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